2018年3月
美術初心者は絵画から何を読み取るか?-具象絵画鑑賞時の発話による探索的な検討
認知科学
- 巻
- 25
- 号
- 1
- 開始ページ
- 26
- 終了ページ
- 49
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 日本認知科学会
芸術鑑賞の初心者は、絵画に描かれた事物を同定することやその写実的な描写に固執する傾向を持つことが指摘されている。この研究では、美術初心者の大学生に2人一組で絵画を5分間ずつ鑑賞させ、鑑賞中の会話と行動を分析した。その結果、ゴッホ作品の鑑賞時には時間経過とともに絵画中の目立った対象物からより周辺的な対象物へと移っていく傾向があった。また構図についての解説文を読んだ条件では絵画中の対象物間の特徴を統合して遠近法の誇張に言及することが増えた。しかしシスレー作品においてはそのような傾向が確認されなかった。