2019年3月
中国における在宅認知症高齢者の生活実態と課題-四川省成都市を事例として-
人間福祉学会誌
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- 巻
- 18
- 号
- 2
- 開始ページ
- 91
- 終了ページ
- 98
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
中国・四川省成都市において、在宅認知症高齢者の生活の実態と課題について、訪問介護事業所を通じて紹介を受けた48人の在宅認知症高齢者の自宅を訪問し、その家族介護者を対象とする質問紙調査をもとに明らかにした。調査の結果から、在宅認知症高齢者が生活する上で、認知症介護度が高いほど、日常生活動作に必要な介護が多くなっており、家族以外の人との交流、外出頻度が減少していることが把握できた。また、集合住宅にエレベーターが無いこと、和式トイレであること、浴室が狭く滑りやすく危険であることなど、住環境の要因に問題があるほど、家族介護者は介護負担を感じていることが明らかになった。今後、在宅認知症高齢者の生活の質を高め、家族介護者の負担を軽減するには、認知症高齢者に対応した外出支援と住環境の改善が必要であることについて論じた。