共同研究・競争的資金等の研究課題

2002年 - 2003年

アシルポリシラン類を利用した新規有機ケイ素化合物の合成

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
14750687
体系的課題番号
JP14750687
配分額
(総額)
2,900,000円
(直接経費)
2,900,000円

本研究は、アシルポリシラン類、特にピバロイルおよびアダマントイルトリス(トリメチルシリル)シランから熱的に生成させたシレンとアセチレン類、オレフィン類およびケトン類など種々の試剤との反応を検討し、新規有機ケイ素化合物の合成を行うことを目的とした。
今年度は、ピバロイルおよびアダマントイルトリス(トリメチルシリル)シランとビス(トリメチルシリル)ブタジインとの反応を120℃で行うと、熱的に生成したシレンとブタジインの炭素-炭素三重結合が[2+2]付加して生成するシラシクロブテン誘導体が高収率で得られることを明らかにした。この反応は完全に位置特異的に反応が進行する。また、得られたシラシクロブテン誘導体をより高い温度(160℃)で反応させると、ほぼ定量的にオキサシラシクロペンテン誘導体が得られることを明らかにした。同様の反応は、他のアルキル置換およびフェニル置換のビスシリルブタジイン、およびビスシリル置換エンインとの反応においても起こる。これらのオキサシラシクロペンテン誘導体の紫外可視吸収スペクトルの吸収極大は、330nm付近にみられ、その末端は可視領域にまで達することを見出した。
さらに、ピバロイル、アダマントイル、ベンゾイルおよびメシトイルトリス(トリメチルシリル)シランとジケトン類との反応を行い、シレンに対するアルキル置換ジケトンとアリール置換ジケトンの反応性の違いを明らかにした。アリール置換ジケトンとの反応においては、高収率でジオキサシラシクロペンテン誘導体を与えることを見出した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-14750687
ID情報
  • 課題番号 : 14750687
  • 体系的課題番号 : JP14750687