MISC

2012年5月

Porphyromonas gingivalisバイオフィルム形成の経時的解析

BACTERIAL ADHERENCE & BIOFILM
  • 山本 れいこ
  • ,
  • 野杁 由一郎
  • ,
  • 山口 幹代
  • ,
  • 朝日 陽子
  • ,
  • 前薗 葉月
  • ,
  • 恵比須 繁之

25
開始ページ
55
終了ページ
59
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本バイオフィルム学会

Porphyromonas gingivalisは辺縁性歯周炎および根尖性歯周炎といった歯科疾患に密接に関与している。P.gingivalisバイオフィルム形成過程での遺伝子発現の変化については解明されたが、菌体構成成分やバイオフィルムの微細構造を経時的に解析した報告は無く、遺伝子・菌体構成成分・性状の経時的な変化について、未だ不明である。本研究では、P.gingivalis ATCC 33277株のバイオフィルム中における糖成分及びタンパク質成分の量、また、バイオフィルムの微細形態学的構造を、各形成過程において解析した。バイオフィルム形成を微細形態学的に観察した結果、形成3日後から菌体がマトリックス様構造物に覆われていたことから、バイオフィルム中の菌体外マトリックスは、初期付着の時点で既に生成されている事が明らかとなった。一方、形成14日後のバイオフィルムにおいて、菌体当りの糖成分の量は他の時点と比べて有意に減少しており、さらに、バイオフィルム中において菌体やベシクル様構造物の密度が減少し、菌体がゴーストセル化していたことから、バイオフィルム形成の後期では、菌体間の接着力が低下し、デタッチメントを引き起こしている可能性が示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1348-6071
  • 医中誌Web ID : 2012308044

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