講演・口頭発表等

2018年6月

マイクロスコープを用いた再歯根尖切除術の1例

新潟歯学会雑誌(プロシーディング)
  • 大倉 直人
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  • 山本 信一
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  • 阿部 達也
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  • 竹内 亮祐
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  • 遠間 愛子
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  • 枝並 直樹
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  • 吉羽 永子
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  • 吉羽 邦彦
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  • 野杁 由一郎

記述言語
日本語
会議種別

根尖性歯周組織病変の難治化は、根尖部での複雑な解剖学的問題に加え、残存バイオフィルムによる細菌学的な影響もあるとされている。こうした様々な要因の改善策として外科的歯内療法が選択される。しかし、補綴処置を行う上で考慮する歯冠・歯根長比の問題で複数回に渡り歯根切断が行われることは稀である。今回は、歯根尖切除術を過去3度に渡って施行しても治癒しなかった症例に対して、マイクロスコープの使用下で再歯根尖切除術と根尖部の緊密な封鎖を目的としたmineral trioxide aggregate(以下MTA)による逆根管充填を含めた再外科的歯内療法が奏効した症例を報告する。患者は59歳の女性で、上顎右側中切歯および側切歯に対して打診痛、根尖部圧痛および瘻孔を認める慢性根尖膿瘍と診断し、最初に通常の感染根管治療を行った。その後、病変部の治癒が期待できなかったため歯根尖切除を行い、逆根管形成後にMTAで逆根管充填を行った。手術から1ヵ月後で瘻孔は消失し、さらに6ヵ月後のレントゲン写真では根尖部の透過像が消失しており、治癒傾向を認めた。(著者抄録)