講演・口頭発表等

2014年5月

歯周病関連細菌Eikenella corrodensのAI-2不活化酵素の精製と解析

BACTERIAL ADHERENCE & BIOFILM
  • Karim Mohammad Minnatul
  • ,
  • Mansur Fariha Jasin
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  • 野杁 由一郎
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  • 恵比須 繁之
  • ,
  • 阿座上 弘行

記述言語
日本語
会議種別

Eikenella corrodensは、対数増殖期の中後期にAI-2を産生し、バイオフィルム形成に影響を及ぼす。しかし、定常期に入るとAI-2活性は劇的に減少することから、AI-2の分解または不活化酵素の存在が示唆された。本研究では、本菌の培養上清からAI-2不活化酵素を精製し、その同定を試みた。E.corrodensの定常期の培養上清を硫安分画することにより、AI-2不活化活性を有する画分(30%画分)を得た。この画分は、本菌の培養上清から精製したAI-2のみならず、センサー株に対してAI-2活性を示すメチルヒドロキシフラノン(MHF)も不活化した。30%画分とインキュベートしたMHFをTLCおよび逆相HPLCで解析したところ、スポットの消失やピークのシフトが見られた。これらの結果から、この画分にはAI-2を別の形に変換する酵素が含まれることが示唆された。次に、30%画分をイオン交換クロマトグラフィーで精製を行った。精製タンパク質をSDS-PAGEで解析すると、約40kDaの単一なバンドが確認された。そのN末端アミノ酸配列は外膜ポーリン(PorA)のものと一致した。porA欠損株の培養上清からはAI-2不活化活性は見られなかった。これらの結果から、E.corrodensにおいて可溶性ポーリンがAI-2の不活化に関与することが示唆された。(著者抄録)