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2006年2月

モモ'紅清水'における落果および種子発育に及ぼす種子への傷害およびジベレリンとパクロブトラゾールの注入の影響

岡山大學農學部學術報告 = Scientific report of the Faculty of Agriculture, Okayama University
  • 福田 文夫
  • ,
  • 近阪 昌之
  • ,
  • 久保田 尚浩

95
開始ページ
63
終了ページ
68
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
岡山大學農學部

モモ'紅清水'において種子への傷害が誘起する落果と種子発育との関係を検討した。種子への傷害(傷害処理)として果実の縫合線と逆の位置から種皮まで外径2.5mmのドリルを満開後40、50、60、72および80日に挿入した。落果や種子発育と関係するジベレリンとパクロブトラゾールの種子への注入(注入処理)も傷害処理後に行った。傷害処理、注入処理ともに、満開後40-60日処理には処理した果実が全て落下したのに対し、72および80日処理では、いずれも落下しなかった。60日処理では、果実および種子の新鮮重がともに処理3日後に減少し始めた。胚乳と胚の形態を満開後60、72および80日処理間で比較した。胚乳および胚の成長は60日処理では処理3日後に停止したが、72日処理では胚が処理5日後まで成長し続けた。胚乳と胚の細胞核の崩壊は、処理時の胚長が5mm未満であった60日処理では、処理3日後に生じた。一方、処理時の胚長が約8mmであった72日処理では、胚乳における細胞核の崩壊は60日処理と同様の傾向で生じたが、胚の細胞核は崩壊しなかった。60日処理において合点側吸器の形態を観察したところ、吸器は傷害処理や注入処理によって直ちに収縮し始め、正常な合点側吸器を持つ種子の割合は急速に低下した。これらの結果に基づいて、種子への傷害による種子の退化過程ならびに胚の成長と落果との関係を考察した。

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/120004572047
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00033029
URL
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010723364 本文へのリンクあり
ID情報
  • ISSN : 0474-0254
  • CiNii Articles ID : 120004572047
  • CiNii Books ID : AN00033029

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