共同研究・競争的資金等の研究課題

2003年 - 2006年

多次元医用画像の知的診断支援

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特定領域研究  特定領域研究

課題番号
15070101
体系的課題番号
JP15070101
配分額
(総額)
36,900,000円
(直接経費)
36,900,000円

本特定領域では,多臓器・多疾病の横断型知的診断支援システムの実現に必要な技術基盤の構築を目的にした.その基礎になるのが,人体の解剖学的知識のデータベース化(これを電体新書と名付けた)である.体幹部(胸部及び腹部)の主要な解剖学的構造(皮膚,皮下脂肪,骨格筋構造,骨格構造,体腔構造,内臓脂肪,気管・気管支,肺,心臓,大動脈・大静脈および主要臓器内の血管,乳房,胃,肝臓,腎臓,脾臓,膵臓,胆嚢,大腸小腸,膀胱)を抽出・認識するための電体新書の開発とそれを基礎にした臓器認識技術を開発した.また,これら主要臓器における主要疾病の診断支援を目的に,臓器内部構造の詳細な記述と疾病による画像上の変化など,必要な知識(これを電脳医学大全と名付けた)のデータベース化を進め,多臓器を対象にし,かつ多疾病の診断を可能にする診断支援の基盤開発を行った.その結果,肺がん,各種のびまん性肺疾患,肺気腫,心血管疾患を示す冠動脈石灰化や肥大型心筋症,動脈硬化,骨粗鬆症,乳がん,肝臓がん,肝硬変,嚢胞,胃がん,大腸ポリープ,前立腺がん,硬膜下血腫・硬膜外血腫,脳血流量などの診断に必要な画像上の特徴抽出および判定基準の決定がなされ,主要病変の診断支援の高度化を達成した.さらに,コンピュータ内の仮想人体内部を自由に移動しつつ,臓器疾病横断型の実時間診断支援を可能とする新しい診断手法「ナビゲーション診断」を実現する統合システムソフトウエア基盤(通称Pluto)を開発した.このシステム上に,各研究班で開発した「電体新書」と「電脳医学大全」を実装し,専門医の診断プロセスを模した多臓器多疾病診断支援システムのプロトタイプを実現した.
以上の結果,本特定領域で目的とした多臓器多疾病診断支援システムのプロトタイプの開発がなされ,研究目的は十分に達成されたといえる.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-15070101
ID情報
  • 課題番号 : 15070101
  • 体系的課題番号 : JP15070101