基本情報

所属
東京大学 大学院総合文化研究科 教授
(兼任) 韓国学研究部門 部門長
学位
政治学博士(韓国高麗大学)
法学修士(東京大学)

J-GLOBAL ID
200901001629096404

外部リンク

一方で冷戦体制を「利用」しながら経済発展を達成、さらに民主化も達成し、他方で、そうした体制実績に基づいて冷戦体制を自ら克服しようとする、韓国の政治・経済・外交のダイナミックな展開に焦点を当て、第二次大戦後の朝鮮半島および東アジアの歴史的展開を、一次史料に基づいて実証的に分析する。そして、韓国・朝鮮半島から、戦後の東アジア国際関係を逆照射することで、従来とは異なる戦後東アジア国際関係史像を構築することを目指す。

具体的には次のような研究を進めてきた。

第一に、朝鮮半島をめぐる国際政治の構図を決定的に変えた、朴正熙(パクチョンヒ)政権の政治体制、経済政策、外交政策に関する研究である。朴正煕政権が、自国を取り巻く冷戦の制約を経済開発のための機会に転化していく過程を、日米韓3カ国の外交文書や経済政策文書などを通して明らかにした。自著『박정희 정부의선택(朴正煕政府の選択)』はその成果の一部であ る。

第二に、朝鮮半島の冷戦史再解釈である。1960年代初頭の軍事クーデターをめぐる米韓関係、日韓国交正常化交渉に関する米国の関与、韓国軍のベトナム派兵をめぐる米韓関係などの1960年代の冷戦史研究、さらに、米中接近、ベトナム戦争の終結などによって東アジア冷戦体制の変容が帰結される1970年代に関する朝鮮半島をめぐる冷戦史研究に取り組んできた。そして、現在は、グローバル冷戦と朝鮮半島冷戦との関係、同盟間対立と同盟内政治との連携という2つの視点を導入することで、1970年代初頭、米中和解という国際冷戦の緩和にもかかわらず、朝鮮半島冷戦の緩和が帰結されなかった、1970年代における朝鮮半島の冷戦体制の政治力学を明らかにすることに取り組んでいる。

第三に、1965年の日韓国交正常化に至る交渉過程に関する歴史研究とそれに立脚した日韓関係の構造に関する分析、さらには、そうした分析に基づいた日韓関係に関する政策提言を行うという作業である。第四に、韓国現代史の展開過程の中で、韓国の民主化を位置づけるとともに、比較政治学における民主化研究の成果を積極的に導入して、韓国の民主化に関する理論的実証的研究に取り組むという作業である。最後に、民主化、冷戦の終焉から現在に至る朝鮮半島をめぐる国際関係の現状分析に、韓国の政治外交に視座を置いて取り組むという作業である。

以上の研究の根底には、冷戦型開発独裁から脱冷戦型市場民主主義への移行という、韓国の政治経済体制の変容を明らかにすることで、朝鮮半島を取り巻く東アジア国際関係の変容を照射するという問題意識が流れている。とかく、日本や中国という「大国」を中心として東アジア国際関係が語られることが多いが、韓国・朝鮮半島という、東アジアにおける「周辺」であり、かつ「前哨」でもある「場」から、戦後の東アジア国際関係を逆照射することで、従来とは異なる戦後東アジア国際関係史像を構築するという問題意識に基づいた研究を続けている。

論文

  55

書籍等出版物

  40

講演・口頭発表等

  134

共同研究・競争的資金等の研究課題

  20