共同研究・競争的資金等の研究課題

2001年 - 2001年

アクションリサーチを応用したインターネット利用による日米協同学習の評価

科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(特定領域研究(A))  特定領域研究(A)

配分額
(総額)
2,200,000円
(直接経費)
0円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

早稲田大学人間科学部とアメリカ合衆国オハイオ州にあるケースウェスタンリザーブ大学では、1992年以来継続的にインターネットを利用した国際協同学習カリキュラムを行っている。本カリキュラムでは、討論テーマごとにグループ編成された日米の学生が、電子掲示板上で英語による討論を行い、その結果をレポートとしてweb上で公開する。この学習活動には、討論テーマに関する知識、コンピュータ、英語、コミュニケーションスキルなど多くの要素が含まれており、また従来の講義型授業に比べ、学習者の主体的活動に委ねられるところの多い授業だといえる。そのためこのような授業に慣れていない学習者たちは、カリキュラムを実践してゆく中で多くの困難にぶつかることが予測できた。
本年度の実践では、アクションリサーチの知見を利用して、早稲田側の参加学生の中にキーインフォーマント(情報提供者)を設定し、彼らの活動を丹念に追跡することで、その実態を明らかにすることを目的とした。そこで、各キーインフォーマントの授業中の活動や発話を観察によって記録するとともに、各キーインフォーマントに対して授業内外の活動およびその際の感情などについて詳細な記録をとるよう求めた。また、観察者がキーインフォーマントにインタビューを行うことで記録内容の信頼性を高めることに努めた。その結果、グループにおける役割分担のパターンは様々であること、電子掲示板での討論では相手の実感がわきづらく、日米のコミュニケーションを難しくしていること、グループ内の特定の学習者を中心としてHTMLを習得することが多いということなどが明らかになった。
さらに、観察者が学習者に積極的に関与することで、活動を行う際に生じた様々な問題の解決・改善を行うという試みも行った。これは、グループワークにおけるメンターの役割を考えるきっかけとして期待できるものであった。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/d/p/13020243.ja.html