1998年3月25日
ブタの閉鎖育種群におけるモンテカルロシミュレーションを用いた非線形利益関数に対処するための選抜指数の比較
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science
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- 巻
- 69
- 号
- 3
- 開始ページ
- 281
- 終了ページ
- 292
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.2508/chikusan.69.281
- 出版者・発行元
- Japanese Society of Animal Science
非線形の利益関数に対応する選抜指数を,ブタの系統造成を想定したコンピュータシミュレーションによって比較した.比較した選抜指数は,(1) 基礎世代の集団平均値に対応した線形選抜指数,(2) 段階的に補正した線形選抜指数,(3) 次世代の利益を最大にする線形選抜指数,(4) 多世代選抜後の利益を最大にする選抜指数,(5) 選抜期間の累積利益を最大にする選抜指数,(6) 2次の選抜指数および(7)希望改良量に基づく選抜指数である.発育速度(線形)と背脂肪の厚さ(2次)を選抜形質とする2次の総合育種価を想定し,遺伝的および経済的選抜反応を計算した.その結果,選抜指数を一定に保った線形選抜指数((1))と二次の選抜指数は((5))は,利益関数の非線形性の程度が大きい場合,利益損失が大きくなった.いっぽう,改良目標に基づく選抜指数は,背脂肪の厚さを最適値に導くことができたが,実際の利益関数や,利益関数の非線形性の程度がそれより小さい条件では,大きな利益損失を招いた.比較した選抜指数の相対的効率は,利益関数の非線形性の程度や利益の評価世代数に従属した.以上の結果は,経済的な視点からの育種計画の重要性を示唆している.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.2508/chikusan.69.281
- ISSN : 1346-907X
- CiNii Articles ID : 10021726670
- CiNii Books ID : AN00195188