MISC

1996年3月

すぐれた教育実践の背景にある人間観の検討 : フラストレーション場面での指導の背景にあるもの

茨城県立医療大学紀要
  • 落合 幸子
  • ,
  • 足立 幸子

1
開始ページ
105
終了ページ
112
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
茨城県立医療大学

教師の意識している人間観と実際に行なわれている教育実践との乖離が問題視されている。しかしすぐれた実践は, 明確な時間的展望を持ち, 指導内容に人間観を反映させているものである。普通学級の教師の研究をふまえて, 本研究では, 情緒障害学級を担当する教師の実践の背景にある人間観を推論し, 実践と人間観の関係を検討することを目的とする。方法は, 東京都内の情緒障害学級に来級する学習障害児(12歳・男子)と登校拒否児(6歳・男子)のフラストレーション場面での教師の対応の仕方を分析し, 普通学級の教師との比較を行なった。分析の結果から, この情緒障害学級の教師は次のような人間観を持って行動していると推論した。(1)人は他者から信頼されていると感じると成長できる。(2)事態の原因が他者にではなく, 自分自身にあると認めるようになると成長できる。(3)人は困難場面の克服により有能感が育つと成長できる。さらに, 普通学級の教師との比較では, 両者は(1)(2)(3)の人間観が共通しており, すぐれた実践家の実践内容には人間観が徹底的に反映していることを示した。

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110001072411
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10564928
ID情報
  • ISSN : 1342-0038
  • CiNii Articles ID : 110001072411
  • CiNii Books ID : AN10564928

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