2016年4月 - 2020年3月
発達段階をトレースできる到達度評価のためのIRT垂直尺度構成の試み
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
昨年度調査で得られたデータは1年分のみであるため、小学校4年生から中学校2年生の5学年横断型の分析を行った。その結果は教育心理学会第60回総会にて研究発表をおこなった。また、IRTモデルからの能力値の分布だけでは、協力校・教育委員会にとってはわかりにくいため、IRT observation scores による等化をおこない、参加児童・生徒が仮に5学年全部のテストを受けたとしたときの正答数得点分布を生成するアルゴリズムを開発し、その成果も教育心理学会第60回総会で報告した。この成果は「素得点実分布のIRT observed scoreによる復元分布とIRT true scoreによる復元分布の精度比較」として投稿・印刷中である。さらに、次年度以降に必須となるIRT垂直尺度化に適したサンプル数ならびに尺度調整に関する系統的かつ詳細・包括的なシミュレーション研究をおこない、日本テスト学会第16回大会にてその結果を発表した。あらたなデータ収集については、昨年度実施とは異なる内容をもつ分冊のもとで、小学校5年生から中学2年生に対して計画通り調査を実施した。調査対象校は昨年度と同一のため参加児童・生徒を個別に追跡できるコホートデザインとなっている。ただし、個人情報保護のため、IDと個人情報との対照表自体は各学校のみ保持していて、研究組織側ではIDのみの情報しか分からないようにした。なお、日本テスト学会第16回大会における柴山(2018)「対応づけの開発と小論文採点事業化の試み、その後の展開」,熊谷(2018)第13回ICPSR国内利用協議会・統計セミナーにおける「項目反応理論入門」および、第12回『日本テスト学会賞』記念講演・ワークショップにおける熊谷(2018)「EasyEstimationを用いたテストデータのIRT分析」は本研究の派生的な成果である。
- ID情報
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- 課題番号 : 16H03731
- 体系的課題番号 : JP16H03731