共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年6月 - 2020年3月

実践者との対話を通した子どもの経験の記述に関するフォト・エスノグラフィーの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
17K18644
体系的課題番号
JP17K18644
配分額
(総額)
5,850,000円
(直接経費)
4,500,000円
(間接経費)
1,350,000円

本研究の目的は、写真を介して研究者と実践者が対話し、相互に解釈し、省察的に検討することで、子どもの経験を描き出すための新たな質的研究方法論、フォト・エスノグラフィーの開発を試みることである。当該年度における研究実績の概要は、次の通りである。(1)広島大学附属幼稚園、東広島市立八本松中央幼稚園、東広島市立御薗宇幼稚園、かえで幼稚園(広島県廿日市市)をフィールドとし、子どもの経験を記述するためのフォト・ストーリーを作成した。具体的には、日本の文化的特徴を映し出した子どもの活動に焦点を当て、彼(女)らの活動の様子を記した数枚のスライドショーを作成した。(2)米国マサチューセッツ州、ミネソタ州、テネシー州の幼児教育施設をフィールドとし、子どもの経験を記述するためのフォト・ストーリーを作成した。具体的には、日本ではあまり見ないような、米国の文化的特徴を映し出した子どもの活動に焦点を当て、彼(女)らの活動の様子を記した数枚のスライドショーを作成した。(3)作成しフォト・ストーリーを用いて、実践者との対話を試験的に試みた。その結果、撮影された写真を刺激媒体として研究者と実践者の異なる見方が響き合い、多様なナラティヴが生成されることが分かった。その際、特に日本と米国という文化の異なるフォト・ストーリーを用いたことで、日本や米国の背後に潜在する暗黙的価値や文化的慣習を浮き彫りにするような保育者の実践知(Practical Content Knowledge)が紡ぎ出される可能性があることが分かった。また、写真の場合、映像を用いた対話とは異なる、保育者の実践知が紡ぎ出される可能性があることも分かった。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-17K18644/17K18644seika.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K18644
ID情報
  • 課題番号 : 17K18644
  • 体系的課題番号 : JP17K18644