2018年4月 - 2022年3月
身体的痛みの理解と表現の生涯発達過程
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究は、次の2点を明らかにし、痛みについての理解と表現の発達についての基礎的資料を提供することを目的とする。(1)痛みの因果理解の発達(2)痛みに関する言語表現の理解。
(1)に関しては、前年度から引き続き、痛みのコントロールについての理解の発達を検討した。前年度の研究から、大学生は小学4、6年生と比較すると、おまじない(痛いの痛いのとんでいけ)は痛みを和らげる効果があると考える傾向が強いことが示された。こうした大学生の傾向は、痛みを感じる人物が大人か子どもかによって相違があるかどうか、子どもの場合、より強くみられるかを検討することを目的として実験を実施した。大学生24名を対象に、痛みあるいはそれ以外の症状を示す人物が登場する物語を示し、7つの緩和法(薬2、心理3、おまじない1、コントロール1)の効果について評定(7件法)することを求めた。さらに、「痛いの痛いの飛んでいけ」というおまじないに効果があると考える理由、小さい子どもに対して「痛いの痛いの飛んでいけ」を唱える理由についても自由記述を求めた。その結果、大学生は、痛みを感じる登場人物が大人よりも子どもの場合の方が、おまじないの効果があると信じやすいことが示された。こうしたことは痛み以外の症状にはみられなかった。またおまじないの効果の理由として、言霊や願いの強さといった非科学的な説明の他、自己暗示やプラセボ効果といった科学的・心理学的用語を使用しての説明が多数見られた。また子どもに対しておまじないを唱える理由として、子どもの暗示へのかかりやすさ、おまじないへの信じやすさ、知識の欠如などが挙げられた。
(2)に関しては、前年度に実施した調査データの分析途中で、追加調査の必要性が判明したため、1歳から9歳の子どもを持つ母親44名を対象にWEB調査を追加実施した。現在分析途中である。
(1)に関しては、前年度から引き続き、痛みのコントロールについての理解の発達を検討した。前年度の研究から、大学生は小学4、6年生と比較すると、おまじない(痛いの痛いのとんでいけ)は痛みを和らげる効果があると考える傾向が強いことが示された。こうした大学生の傾向は、痛みを感じる人物が大人か子どもかによって相違があるかどうか、子どもの場合、より強くみられるかを検討することを目的として実験を実施した。大学生24名を対象に、痛みあるいはそれ以外の症状を示す人物が登場する物語を示し、7つの緩和法(薬2、心理3、おまじない1、コントロール1)の効果について評定(7件法)することを求めた。さらに、「痛いの痛いの飛んでいけ」というおまじないに効果があると考える理由、小さい子どもに対して「痛いの痛いの飛んでいけ」を唱える理由についても自由記述を求めた。その結果、大学生は、痛みを感じる登場人物が大人よりも子どもの場合の方が、おまじないの効果があると信じやすいことが示された。こうしたことは痛み以外の症状にはみられなかった。またおまじないの効果の理由として、言霊や願いの強さといった非科学的な説明の他、自己暗示やプラセボ効果といった科学的・心理学的用語を使用しての説明が多数見られた。また子どもに対しておまじないを唱える理由として、子どもの暗示へのかかりやすさ、おまじないへの信じやすさ、知識の欠如などが挙げられた。
(2)に関しては、前年度に実施した調査データの分析途中で、追加調査の必要性が判明したため、1歳から9歳の子どもを持つ母親44名を対象にWEB調査を追加実施した。現在分析途中である。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K03031
- 体系的課題番号 : JP18K03031
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
乳幼児医学・心理学研究 30(1) 27-33 2021年9月 招待有り筆頭著者
講演・口頭発表等
1-
第第30回乳幼児医学・心理学会大会シンポジウム 「医療におけるナラティブとエビデンス」 2021年3月13日 招待有り