2017年4月 - 2021年3月
感覚モダリティ変換を応用した小児がん患児の食意欲の心理量測定ツールの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究の目的は,小児がん患児の「食への意欲」の心理量を物理量に変換し,それを実装した意欲評価ツールを開発することを目的とする.同時に,小児がん患児の食欲の表現と,それを保護者がどのように捉えているかの差も明確にする.
1.小児がん患児(男子4名,女子4名,平均6.3歳(範囲4-10歳))とその保護者9組に対して,食前と食後に空腹の具合,満腹状態について,開発した木製カード型の心理量測定ツール(5段階,数値が大きいほど満腹度高)およびVAS(13.5cm幅,数値が高いほど満腹度高))を使用して対応するt検定により,前後比較ならびに子どもと保護者比較を実施した.心理量測定ツールを用いた結果,有意に満腹度の上昇を認めた(t=-3.5,p=.009).しかし,母親は有意差を認めなかった(t=-1.4,p=.195).一方VASでは患児は前後比較で有意差を認め(t=-5.2,p=.001),母親も同様に有意差を認めた(t=-2.63,p=.006).この結果から,子ども自身の空腹―満腹感覚については,どちらの尺度でも測定できる可能性が示唆された.一方,母親の観察と判断は,子ども自身が感じていることと異なることが示唆された.
2.小児がん児の晩期症状に関する養護教諭の支援と認識:新潟県内の小学校・中学校で,慢性疾患児童生徒の支援経験を有する養護教諭129人は,支援の中で困難に感じていることとして「本人の病気への理解不足」24.8%,「保護者との連絡調整」18.6%,「他の教員の理解不足」14.0%,「周囲の児童生徒の理解不足」14.0%と回答があった.小児がん児を含む,慢性疾患患児への退院支援として,症状や晩期合併症だけでなく,子どもの疾患についての表現方法について支援する必要性が示された.
1.小児がん患児(男子4名,女子4名,平均6.3歳(範囲4-10歳))とその保護者9組に対して,食前と食後に空腹の具合,満腹状態について,開発した木製カード型の心理量測定ツール(5段階,数値が大きいほど満腹度高)およびVAS(13.5cm幅,数値が高いほど満腹度高))を使用して対応するt検定により,前後比較ならびに子どもと保護者比較を実施した.心理量測定ツールを用いた結果,有意に満腹度の上昇を認めた(t=-3.5,p=.009).しかし,母親は有意差を認めなかった(t=-1.4,p=.195).一方VASでは患児は前後比較で有意差を認め(t=-5.2,p=.001),母親も同様に有意差を認めた(t=-2.63,p=.006).この結果から,子ども自身の空腹―満腹感覚については,どちらの尺度でも測定できる可能性が示唆された.一方,母親の観察と判断は,子ども自身が感じていることと異なることが示唆された.
2.小児がん児の晩期症状に関する養護教諭の支援と認識:新潟県内の小学校・中学校で,慢性疾患児童生徒の支援経験を有する養護教諭129人は,支援の中で困難に感じていることとして「本人の病気への理解不足」24.8%,「保護者との連絡調整」18.6%,「他の教員の理解不足」14.0%,「周囲の児童生徒の理解不足」14.0%と回答があった.小児がん児を含む,慢性疾患患児への退院支援として,症状や晩期合併症だけでなく,子どもの疾患についての表現方法について支援する必要性が示された.
- ID情報
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- 課題番号 : 17H04092
- 体系的課題番号 : JP17H04092