2019年4月 - 2020年3月
アスコルビン酸輸送担体を介した象牙芽細胞分化を促進させる歯髄再生メカニズムの解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
アスコルビン酸はSvct2 やGlut1 と呼ばれる輸送担体によって細胞内輸送を可能にすることが報告されている。初年度では、歯髄創傷治癒時における修復象牙質形成にアスコルビン酸が深く関与していると仮説を立て、アスコルビン酸の輸送経路の解明と、アスコルビン酸の機能について解析を行った。
MTA直覆による歯髄創傷治癒モデルラットを用いて、免疫組織学的解析とリアルタイムPCR解析による遺伝子学的解析を時空間的に行った。
その結果、正常歯髄での酵素抗体法による免疫染色反応では象牙芽細胞、血管内皮細胞、歯根膜細胞および神経線維の一部においてSvct2/Glut1の陽性反応を認めた。創傷治癒過程では、覆髄後 1 日の歯髄細胞では Svct2/Glut1 陽性細胞ともに認められなかったが、MTA 覆髄 3 日後で象牙芽細胞を含めた多くの歯髄組織内の細胞にSvct2/Glut1 陽性反応を認め、5 日後では被蓋硬組織が形成されはじめた覆髄部直下で Svct2/Glut1 陽性の象牙芽細胞様細胞が確認された。7 日後では、被蓋硬 組織に沿って円柱状に配列した Svct2/Glut1 陽性の象牙芽細胞様細胞が認められた。覆髄後における Slc23a2 および Slc2a1 ともにmRNA 発現量は未処置歯群と比較して 3 日後をピークに有意に増加した(P<.01)。MTA 覆髄3-5日後に Svct2 と Glut1 による創傷部位へのアスコルビン酸供給経路と代謝経路が形成されていたことが示唆された。さらに歯髄創傷治癒時におけるアスコルビン酸の役割が、象牙芽細胞様細胞への分化においても重要な因子である可能性が考えられた。
MTA直覆による歯髄創傷治癒モデルラットを用いて、免疫組織学的解析とリアルタイムPCR解析による遺伝子学的解析を時空間的に行った。
その結果、正常歯髄での酵素抗体法による免疫染色反応では象牙芽細胞、血管内皮細胞、歯根膜細胞および神経線維の一部においてSvct2/Glut1の陽性反応を認めた。創傷治癒過程では、覆髄後 1 日の歯髄細胞では Svct2/Glut1 陽性細胞ともに認められなかったが、MTA 覆髄 3 日後で象牙芽細胞を含めた多くの歯髄組織内の細胞にSvct2/Glut1 陽性反応を認め、5 日後では被蓋硬組織が形成されはじめた覆髄部直下で Svct2/Glut1 陽性の象牙芽細胞様細胞が確認された。7 日後では、被蓋硬 組織に沿って円柱状に配列した Svct2/Glut1 陽性の象牙芽細胞様細胞が認められた。覆髄後における Slc23a2 および Slc2a1 ともにmRNA 発現量は未処置歯群と比較して 3 日後をピークに有意に増加した(P<.01)。MTA 覆髄3-5日後に Svct2 と Glut1 による創傷部位へのアスコルビン酸供給経路と代謝経路が形成されていたことが示唆された。さらに歯髄創傷治癒時におけるアスコルビン酸の役割が、象牙芽細胞様細胞への分化においても重要な因子である可能性が考えられた。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K10147
- 体系的課題番号 : JP19K10147