2021年4月 - 2024年3月
表面汚染抑制と生体分子修復の両立を目指した、新規バイオ分離材料の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本年度の研究実施計画に対応した結果を以下において個別に述べる。
(1)モデル細胞膜の作成…ポリビニルピロリドンやポリメチルメアクリレートなどにより高分子支持膜を作成した。また、リン脂質と糖鎖脂質の混合脂質系を作成した。(2)リン脂質ポリマーの準備…高分子鎖長をn = 10~100まで変化させたものを準備した。(3)上記膜材料の物性評価…蛍光プローブの運動性の高さを偏向解消法で定量化し、極性環境の評価も行った。二重染色法により、混合脂質膜系の相分離性などを観察できるようになった。(4)動的ナノ空間分布の評価…原子間力顕微鏡を用いて膜内部に存在する動的構造を可視化した。さらに膜弾性係数を評価し、水和構造が強固なほど弾性が弱くなることが示唆された。(5)リン脂質ポリマー膜表面へのタンパク質吸着過程の検討…原子間力顕微鏡を用いて膜材料表面の付着力測定を行い、タンパク質の表面物性を用いて付着力を補正して吸着量を推定する補正関数を決定できた。(6)タンパク質の成長相モニタリング…まず蛍光標識タンパク質を作成した。膜界面でのアミロイドβ(Aβ)と高分子の絡み合いによる空間的制限がAβの並進拡散を抑制し、結果としてアミロイド核形成に影響を与えることが示された。
<BR>
さらに、(3)と(6)を踏まえると、タンパク質が平面膜上の特定の領域に集中して吸着されやすいことが判明した。この現象が各成長相の成長ダイナミクスに関連していることが示唆された。さらに、(1)と(6)より、膜上の並進拡散特性について、分子量と構造状態の双方に依存性があることが見いだされた。それゆえ、成長相の選択は界面上での並進拡散過程に関連するという予想は外れていないと考えられる。
(1)モデル細胞膜の作成…ポリビニルピロリドンやポリメチルメアクリレートなどにより高分子支持膜を作成した。また、リン脂質と糖鎖脂質の混合脂質系を作成した。(2)リン脂質ポリマーの準備…高分子鎖長をn = 10~100まで変化させたものを準備した。(3)上記膜材料の物性評価…蛍光プローブの運動性の高さを偏向解消法で定量化し、極性環境の評価も行った。二重染色法により、混合脂質膜系の相分離性などを観察できるようになった。(4)動的ナノ空間分布の評価…原子間力顕微鏡を用いて膜内部に存在する動的構造を可視化した。さらに膜弾性係数を評価し、水和構造が強固なほど弾性が弱くなることが示唆された。(5)リン脂質ポリマー膜表面へのタンパク質吸着過程の検討…原子間力顕微鏡を用いて膜材料表面の付着力測定を行い、タンパク質の表面物性を用いて付着力を補正して吸着量を推定する補正関数を決定できた。(6)タンパク質の成長相モニタリング…まず蛍光標識タンパク質を作成した。膜界面でのアミロイドβ(Aβ)と高分子の絡み合いによる空間的制限がAβの並進拡散を抑制し、結果としてアミロイド核形成に影響を与えることが示された。
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さらに、(3)と(6)を踏まえると、タンパク質が平面膜上の特定の領域に集中して吸着されやすいことが判明した。この現象が各成長相の成長ダイナミクスに関連していることが示唆された。さらに、(1)と(6)より、膜上の並進拡散特性について、分子量と構造状態の双方に依存性があることが見いだされた。それゆえ、成長相の選択は界面上での並進拡散過程に関連するという予想は外れていないと考えられる。
- ID情報
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- 課題番号 : 21H01692
- 体系的課題番号 : JP21H01692