2003年 - 2005年
ペプチドチップを用いた実験動物感染症抗原エピトープの解析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究では実験動物のマウス・ラットに頻繁に発生する感染症、もしくは危険度の高い感染症として、マウス肝炎ウイルス、センダイウイルス、マイコプラズマ、及びハンタウイルスを対象として選択した。既に公表されている構成蛋白質のアミノ酸配列情報をもとにペプチドチップを作製し、ポリクローナル抗血清と反応させることで抗原ペプチドエピトープを同定した。更に同定されたペプチド抗原エピトープを利用して簡便な検査法の開発を試行した。マウス肝炎ウイルスとセンダイウイルスについてはこの試みが見事に成功し、既存のウイルス粒子全体を抗原として用いるELISA法と同等もしくはそれ以上の感度を示すELISAシステムの構築に成功した(論文作製中)。ハンタウイルスについては、ハンタウイルス核蛋白に対するモノクローナル抗体(MAb)E5/G6の認識する抗原エピトープの同定に成功した。即ち、E5/G6が認識する最小配列はaa166-173(EDVNGIRK)であることが分かった。マイコプラズマ(Mycoplasma pulmonis)はウイルスと違い構成蛋白質が多岐にわたることから、まず抗原となる蛋白質の検討を行った。P46に相同性を持つP46L蛋白質が抗原性が高いことを見いだした。P46Lにglutathione S-transferase (GST)を結合した組換え蛋白質を作製し、精製したものを抗原としてELISAシステムを構築したところ、既存の市販ELISAシステムに比べ高感度であった。
ペプチドチップを用いて抗原ペプチドエピトープを同定する手法をげっ歯類実験動物に対する病原体のみではなく、ウエストナイルウイルスや重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスといった人獣共通感染症病原体の抗原エピトープの同定にも用い、抗原エピトープを同定することができた。また、病原体の抗原エピトープの同定のみではなく、Fas抗原、アンジオテンシンII蛋白質などが他の物質に結合する部位の同定にも成功した。
ペプチドチップを用いて抗原ペプチドエピトープを同定する手法をげっ歯類実験動物に対する病原体のみではなく、ウエストナイルウイルスや重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスといった人獣共通感染症病原体の抗原エピトープの同定にも用い、抗原エピトープを同定することができた。また、病原体の抗原エピトープの同定のみではなく、Fas抗原、アンジオテンシンII蛋白質などが他の物質に結合する部位の同定にも成功した。
- ID情報
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- 課題番号 : 15300138
- 体系的課題番号 : JP15300138