共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

力学刺激を負荷した培養血管内皮細胞における代謝変動の可視化

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K12037
体系的課題番号
JP18K12037
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

初年度は、細胞に流れを負荷する力学刺激負荷システムの構築および質量分析イメージングに用いる導電性培養プレートの作製を目的とした。力学刺激負荷システムは、ローラーポンプならびにフローチャンバー、リザーバー、シリコーンチューブを用いて構築した。この力学刺激負荷システムにより、大きさの異なるせん断応力を細胞に負荷した後、質量分析イメージングを実施することが可能となる。導電性培養プレートの開発においては、ITOフィルムを導電性基材として選定した。選定理由として、ITOフィルムは光透過性に優れているため、フィルム表面において細胞培養を実施後、倒立型蛍光顕微鏡を用いた培養細胞の観察が可能となるためである。本研究では、形状を制御した培養細胞の質量分析イメージングを試みるため、ITOフィルム表面における細胞パターニングが必要となる。そのため、ITOフィルム表面に高分子材料を薄膜した後、マイクロパターンを形成した金属マスクを用いたプラズマ処理により、局所的な細胞接着領域と非接着領域をITOフィルム表面に形成した。薄膜したITOフィルムの表面電気抵抗は、未処理のITOフィルムと相違はほぼなく、高い導電性を示した。以上から、導電性培養プレートを作製できたと考えられる。さらに、高分子材料膜の機械的強度を向上する手法として、ナノフィラーを高分子材料に添加する方法を検討した。そのため、数種類のセルロースナノファイバーを添加した高分子複合材料試験片を作製後、複合材料の機械的特性および濡れ性を明らかにした。さらに、導電性ナノフィラーとしてカーボンナノチューブにおいても複合材料試験片を作製して、その機械的特性および表面電気抵抗を明らかにした。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K12037
ID情報
  • 課題番号 : 18K12037
  • 体系的課題番号 : JP18K12037