共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年6月 - 2021年3月

日本列島地殻流体ヘリウムバンク創設に向けた新たな技術の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
18K18777
体系的課題番号
JP18K18777
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
6,370,000円
(直接経費)
4,900,000円
(間接経費)
1,470,000円

ヘリウムを容易にサンプリングできる浸透膜と銅管とを組み合わせたサンプラーの試作を開始した。浸透膜として6×8mmのシリコンチューブを、銅管として外径6.35mm×肉厚0.8mmの配管用銅管を用いた。サンプラーに入ったヘリウムが再び浸透膜を通して外に出ないように銅管をかしめるクランプ(締め具)を用いた。クランプを用いて銅管を完全に固くかしめるため、クランプを固定する土台を設計・製作し、それを市販のバイスに挟み、電動ドリルを用いることで容易に銅管をかしめることが可能となった。
このサンプラーを水中に数日間放置すること溶存しているガスは浸透膜を通してサンプラーに集められる。ある程度の深さにサンプラーを設置すると浸透膜が水圧により潰れるため、ガラスビーズを封入して、水圧に耐えるようにした。京都大学理学研究科附属地球熱学研究施設にある深さ300mの実験温泉井戸に平成30年7月24日-27日の3日間、本サンプラーを設置した。本井戸の深部は温度が100℃を超える。引き上げた浸透膜は変色しているものの、劣化して破損することはなかった。このサンプルを分析したところ、ヘリウム以外に、ネオン、窒素、CO2などが浸透していることが明らかになった。ヘリウムリークディテクタとしてコンパクト型ガス分析システムC-70を購入し、ヘリウムなどのガスを分析ができるようにした。今後、浸透膜の種類による浸透試験、密封試験を行う予定である。また、酸性の温泉(pH3)、中性の温泉(pH6.5)でも試験観測を実施したが、サンプラーの劣化は見られなかった。
平成30年北海道胆振東部地震に関する地殻流体に関する現地調査を実施した。地震時に水位が変化した井戸が確認された。また、震源周辺の温泉6か所でガスのサンプリングを実施した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K18777
ID情報
  • 課題番号 : 18K18777
  • 体系的課題番号 : JP18K18777

この研究課題の成果一覧

論文

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