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2017年9月 - 2017年9月

ホットカソード法による切削加工用酸化物・窒化物皮膜の高速スパッタ成膜技術の開発


酸化物・窒化物薄膜の形成は、半導体メモリ・磁気記録デバイス等の先端電子デバイスから、光学素子の反射防止膜・波長フィルタ、切削工具用の超硬皮膜など、汎用製品を実現する上で必須な基盤技術である。古くは湿式メッキ法が活用され形成されることが多かったが、最近では皮膜の薄膜化・高機能化に伴い乾式 (真空) プロセスによる形成が主流となり、飛来粒子を基体に直接堆積させるPVD法、特にその中でも緻密・高強度・高密着性の点で優れているスパッタリング法が産業応用上では極めて重要である。しかしながら一般に酸化物・窒化物薄膜のスパッタ成膜では、組成制御と高速成膜とを両立することが困難であり、量産性を律速していた (一般に酸化物の成膜速度は金属の1/10以下)。そこで本研究では、組成制御が比較的容易なRFスパッタリング法を選択し、切削工具用の皮膜として必要とされるAl, Ti, Cr系の酸化物・窒化物を高速で成膜する技術の確立を目的とする。