共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

酸化膜被覆Ti合金の界面微細構造解析と複合材としての力学特性予測

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K05119
体系的課題番号
JP20K05119
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

Ti-Nb合金では,Nbの18 mol%以上の添加により,高温酸化処理で生成する酸化膜の緻密性が著しく向上し,また界面連続性も向上する.それに伴い,耐剥離性も顕著に改善される.数十ミクロン厚の厚い酸化膜では,耐剥離性の向上に界面の傾斜化が寄与することが示された.
緻密化に関与する合金元素は主にNbと示唆されるが, TaはNbと原子サイズがほぼ等しく, 全率固溶体を形成し, 更に酸化物状態図が共に共晶型であることから, Taの固溶もTNTZの酸化被膜形成挙動や被膜構造に影響を与えている可能性が推測される. そこで本研究では, 異なるTa添加量のTi-xTa(x = 1 - 50 mol%)二元系合金を作製し, これらの合金を高温酸化させて得られた酸化被膜について, 結晶構造の同定や被膜断面構造の観察を行い, Ti-Ta合金の高温酸化挙動や耐剥離性に及ぼすTa濃度依存性について調査した.
SEM及びEPMAによる断面観察では, x ≦ 5 mol%ではボイドを含むポーラス構造が観察され, x ≧ 10 mol%の組成で酸化被膜の二相化に伴う緻密化及び膜厚の肥厚化が確認された. 剥離応力は, x = 18, 20 mol%において最大値約60 MPaを示し, それ以外の組成範囲x ≦ 15, x ≧ 23 mol%では相対的に低下が確認された. Ti中へのTaの固溶限は約5.56 mol%であり, x ≦ 5.56 mol%ではKirkendall voidと呼ばれる空隙を有する酸化被膜が形成したのに対し, x ≧ 5.56 mol%では酸化被膜は二相化し, 基板界面との密着性を有した緻密な酸化被膜が形成した. この結果, 良好な剥離応力が得られたと示唆された.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K05119
ID情報
  • 課題番号 : 20K05119
  • 体系的課題番号 : JP20K05119

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