共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

材料の流動性を考慮したEBポリッシングメカニズムの解明による高能率表面仕上げ

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K03807
体系的課題番号
JP21K03807
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

令和3年度の研究計画に挙げていた,大面積電子ビーム照射時における「凸部への電子集中現象の解明」に取り組んだ.はじめに,大面積電子ビーム照射装置を再現した電磁場解析モデルを構築した.実際の大面積電子ビーム照射装置と同様に,モデル内にカソード,アノードおよびソレノイドコイルを設置した.本解析モデルにより,電子ビーム照射中における工作物近傍の磁場を算出した結果,平坦形状と比較して凸部先端において磁束密度が増大する傾向が得られた.電子は磁力線に沿ってらせん運動しながら進む性質がある.すなわち,凸部先端への電子ビーム集中現象を解析的に明らかにすることができた.
次に,令和4年度の研究計画に挙げていた,電子ビームチャンバ内の真空雰囲気,金属材料の熱物性値や粘性などを考慮した熱流体解析モデルの構築を試みた.構築したモデルの解析精度を評価するため,工作物の形状を平坦形状とし,平坦形状の表面へ電子ビームの熱流束を与えた.その結果,実験で得られた電子ビーム照射1shot照射時の再凝固層厚さと,解析において得られた溶融層厚さがほぼ一致した.構築したモデルを用いて,表面に微細凹凸形状を付与した工作物に対して電子ビームを1shot照射した際の熱流体解析を行ったところ,微細凹凸形状表面の溶融,溶融金属の凸部から凹部への流動・再凝固層する過程が見られた.また,電子ビーム1shot照射後の微細凹凸形状変化が,解析と実験でほぼ一致することを明らかにした.さらに,EBポリッシング時において溶融金属が流動する駆動力は,表面張力の影響が大きいことが分かった.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K03807
ID情報
  • 課題番号 : 21K03807
  • 体系的課題番号 : JP21K03807

この研究課題の成果一覧

論文

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