2020年4月 - 2023年3月
抗菌性および脱灰予防効果を持つ歯科用フィラーの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究では、二次う蝕や誤嚥性肺炎等の疾患リスクを低減する歯科医療材料の開発を目指し、層状化合物の層間に抗菌性と脱灰予防効果を付加する機能成分を担持した歯科材料用フィラーを開発する。新規フィラーの結晶構造や抗菌・脱灰抑制成分の溶出性を調べるとともに、フィラーをボンディングレジンに添加し、ミュータンス菌・カンジダ菌に対する抗菌性を評価する。また、抗菌・脱灰抑制成分のリチャージについて検討し、持続的な抗菌性と脱灰予防効果を併せ持つ歯科接着材料として実用化するための基礎的知見を集積する。
令和3年度は、フッ化セチルピリジニウム担持層状リン酸ジルコニウム(CPF-ZrP)含有ボンディングレジンプレートを作製し、ミュータンスに対する抗菌性を評価した。CPF-ZrPは、層状リン酸ジルコニウムの中性における陽イオン交換量のカタログ値に対するCPF量のモル比が1倍、3倍、6倍、10倍となる条件で合成した。レジンプレートは、直径10mm、厚さ2mmのシリコンモールド中にCPF-ZrP粉末5mgとスコッチボンドユニバーサル(3M社製)を加えて撹拌し硬化させた。CPF-ZrP含有レジンプレートの抗菌試験を行った結果、CPF-ZrP微粉末の合成条件に関係なく、ミュータンスに対して有効な抗菌性を示した。また、CPF-ZrPを添加したスコッチボンドユニバーサルを歯に塗布し、ウルトラミクロトームで硬化サンプルの切片を作製し、透過電子顕微鏡を用いて歯との界面を観察した結果、CPF-ZrP微粒子が一部凝集しているものの、比較的高密度で分散していることが示唆された。
令和3年度は、フッ化セチルピリジニウム担持層状リン酸ジルコニウム(CPF-ZrP)含有ボンディングレジンプレートを作製し、ミュータンスに対する抗菌性を評価した。CPF-ZrPは、層状リン酸ジルコニウムの中性における陽イオン交換量のカタログ値に対するCPF量のモル比が1倍、3倍、6倍、10倍となる条件で合成した。レジンプレートは、直径10mm、厚さ2mmのシリコンモールド中にCPF-ZrP粉末5mgとスコッチボンドユニバーサル(3M社製)を加えて撹拌し硬化させた。CPF-ZrP含有レジンプレートの抗菌試験を行った結果、CPF-ZrP微粉末の合成条件に関係なく、ミュータンスに対して有効な抗菌性を示した。また、CPF-ZrPを添加したスコッチボンドユニバーサルを歯に塗布し、ウルトラミクロトームで硬化サンプルの切片を作製し、透過電子顕微鏡を用いて歯との界面を観察した結果、CPF-ZrP微粒子が一部凝集しているものの、比較的高密度で分散していることが示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K09987
- 体系的課題番号 : JP20K09987