2018年10月 - 2024年3月
1930年代における東アジア女性雑誌の比較研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
2018年度は、「東アジアと日本語フォーラム上海大会」(2018.10-20-21、於復旦大学)において、「1930年前後のアジア女性雑誌」と題し三つの報告からなるパネル発表を行った。雑誌というメディアが地域間の情報の流通に直接的な働きを及ぼしていたことは言うまでもないが、1930年前後のアジアの各地域の女性雑誌が、外部の情報をどのように取り入れどのように応答していたのかという観点から、日本・韓国・中国の女性雑誌の状況を比較検討した。飯田祐子「『女人芸術』と外部」は、日本で発刊された『女人芸術』を対象として、日本の同時期の女性雑誌と比較して顕著に多く外地及び外国に関する情報が掲載されたことを確認するとともに、その変化と質的傾向を明らかにした。張ユリ「朝鮮の女性雑誌にみるスポーツ」は、近代文化としてのスポーツを植民地の女性がいかに受容していたのかについて分析した。西洋宣教師による教育の一環として導入された近代文化の一つであるスポーツには、民族主義に基づいて展開したという特質があることを確認した上で、女性雑誌と男性雑誌との間に民族主義の展開の仕方に差異があることを論じた。楊佳嘉「初期『婦女共鳴』と外国の繋がり」は南京国民政府の厳しい言論統制の中、国民党出身の女性識人たちが婦人運動の再興を目指して創刊した女性雑誌『婦女共鳴』を対象とし、女性知識人たちの外国女性への眼差し及び外国婦人運動との関連性を考察した。三報告の後、ディスカッサントの呉佩珍が、台湾の事情とともに、アジアにおける女性雑誌の応答関係の実情と可能性について論じた。
また、第一回研究会を開催し(2019.3.11、於名古屋大学)、飯田が「アジア女性雑誌研究 課題と方法」の報告を行った。本研究の課題を確認するとともに、各地域の研究状況と資料の所蔵状況について情報を共有し、2019年度の計画を作成した。
また、第一回研究会を開催し(2019.3.11、於名古屋大学)、飯田が「アジア女性雑誌研究 課題と方法」の報告を行った。本研究の課題を確認するとともに、各地域の研究状況と資料の所蔵状況について情報を共有し、2019年度の計画を作成した。
- ID情報
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- 課題番号 : 18KK0007
- 体系的課題番号 : JP18KK0007
この研究課題の成果一覧
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講演・口頭発表等
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1930年代における東アジア女性雑誌の比較研究(国際共同研究強化(B))研究会 2021年3月14日