共同研究・競争的資金等の研究課題

2011年 - 2013年

石英の格子欠陥及び結晶化度を物質移動指標として用いるための物理的基礎の確立

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(C))  基盤研究(C)

課題番号
23510017
体系的課題番号
JP23510017
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
5,460,000円
(直接経費)
4,200,000円
(間接経費)
1,260,000円
資金種別
競争的資金

堆積物の運搬を明らかにする理化学的な手法の開発は、過去の気候変動や物質循環を再現において、大きな手がかりを与える強力な手法となることが期待できる。堆積物の主要な成分である石英中の電子スピン共鳴信号及びルミネッセンス特性が、これまでの指標とは異なった特性の起源地の情報を持っていることを示し、風送塵や河川堆積物の運搬の有効な指標として確立することを目的とする。風送塵については、最近50年間の福岡と米子の降下物に含まれる石英の酸素空孔量が黄砂の観測日日数と相関する一方で、秋田ではそのような傾向がなく、徐々に減少していることが明らかになった。一方、河川堆積物については木津川と黒部川について石英の電子スピン共鳴信号及びルミネッセンス特性を調べた。木津川については、支流との合流を2か所経て、ESR信号が変化することがわかった。流下する地域の地質との相関が示唆される一方で、それをはっきり証明できるには信号強度のばらつきが大きかった。しかし、2か所の合流地点の1か所については、堆積物の混合割合求められ、複数の指標を用いてほぼ一致した結果が得られた。粒径ごとに混合割合が異なることが明らかにできるという新しい知見を得ることができた。黒部川の河川堆積物について黒部川の現河床堆積物について熱ルミネッセンス分光測定を行った。100℃から250℃までの低温の 400~550nm の青色発光、同じく低温の 600~750nm の赤色発光、250℃から380℃の範囲の高温の赤色発光の3つの主要な成分が見られ、上流から下流にかけて高温赤色に対する低温青色の発光の比が小さくなっていくことが見いだされた。また、2012年と2013年に採取した堆積物について大きく信号強度が異なり、年変動があることが明らかになった。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/d/p/23510017.ja.html
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-23510017
ID情報
  • 課題番号 : 23510017
  • 体系的課題番号 : JP23510017