その他

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南インド洋海域、西エンダビー海盆の重力・地磁気異常および海底地形データから、これまでと異なる新たな海底拡大過程史を推定した。この西エンダビー海盆の海洋底拡大モデルに基づき、初期分裂に係わる諸現象および大陸-海洋境界等の検証を行った。その結果、グンネラス海嶺の東と西で、初期ゴンドワナ分裂時の海洋底拡大方向が違っており、グンネラス海嶺の東では、複雑な初期分裂過程があった事が推定された。また、グンエネス海嶺の東の分裂過程から、コンラッドライズの海山の一部が、初期分裂時のプルーム活動に関係する構造物である可能性があることがわかった。このプルーム活動により、この海域でも大陸伸張域が存在する可能性が示された。また、2006年1月に行われた日独共同地球物理航空機観測では、南極昭和基地周辺の広域な面的な氷床レーダー、地磁気および重力の調査を行った。現在データ解析を行っており、大陸分裂および形成過程に関しての研究が一層進展することが期待される。また、昭和基地沖での電磁気学的手法を用いた観測も行い、現在構造解析を行っている。南極プレートの進化に関する研究としては、現在活動している中央海嶺の中でも、水深が浅く特異な海嶺である、オーストラリアー南極不連続帯の共同観測を行った。その結果、オーストラリアー南極不連続帯の、マグマが枯渇した海嶺特有の地形等が明らかになり、それらのテクトニックな解釈を行った。今後も南極プレートの境界である海嶺系の調査が計画されており、研究の進展が見込まれる。
極域観測歴等(1)白嶺丸によるTH83航海(ウイルクスランド沖)参加 (1983-1984)、第30次南極地域観測隊員(夏隊) (1988-1989)、英国南極局観測船ジェームスクラークロス号によるJR-09航海(スコチア海)参加 (1994-1995)、第37次南極地域観測隊員(越冬隊) (1995-1997)、第47次南極地域観測隊員(夏隊) (2005-2006)(2)ロシア観測船ロガチェフによる北極海クニポビッチ海嶺調査Knipovich-2000航海参加 (2000)(3)ODP(国際深海掘削計画)第143次航海参加(Logging Scientist) (1992)、白鳳丸KH-07-4 Leg3(主席研究員)(2008)、白鳳丸KH-09-5 Leg3参加(2009-2010)、白鳳丸KH-10-7 (主席研究員)(2010-2011)