論文

査読有り
2019年11月

小児医療現場における患者・家族からの暴言・暴力・セクハラ・嫌がらせの実態と対策

外来小児科
  • 涌水 理恵
  • ,
  • 三木 明子
  • ,
  • 齋藤 誠
  • ,
  • 大戸 達之
  • ,
  • 福島 敬
  • ,
  • 今井 博則
  • ,
  • 前野 哲博
  • ,
  • 桑原 雛子
  • ,
  • 小山 慎一
  • ,
  • 黒木 春郎

22
4
開始ページ
452
終了ページ
461
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本外来小児科学会

小児医療現場では,患者・家族と医療従事者・関係者(以下,職員)との間にさまざまなやり取りが日々行われ,問題も生じている。しかし現時点では,小児医療現場における家族らからの暴言・暴力・セクハラ・嫌がらせの実態について,客観的なデータにもとづいて纏められている国内の報告はない。そこで本研究では,当該テーマに関する質問票調査を全国規模で行い,収集したデータを分析したので,その実態と現場での対策を報告する。依頼した2,328施設のうち521施設から回答が得られ(回収率22.4%),3,605データが収集された。対象施設の79.5%が診療所で,対象者の88.1%が女性だった。対象者の職種は医師・看護師・事務職・保育士・看護助手等で,過去1年間で患者・家族から暴言・暴力・セクハラ・嫌がらせの被害を経験した職員は10.5%だった。総被害件数は1,110件で,暴言716件,暴力135件,セクハラ13件,嫌がらせ246件だった。うち18件が警察へ,8件が弁護士へ届け出されていた。報告された被害内容の中には,威嚇や脅迫など悪質なものも含まれていた。施設内の対策としてのマニュアルやガイドライン,研修や訓練の存在はそれぞれ10.7%と9.0%の職員に認知されていた。これらの対策が有効だったと感じる職員は全体の7.3%で,これまで実際に被害を受けた職員の45.6%だった。既存の院内対策について職員全体へ十分な周知・教育をするとともに,被害を受けた職員がより有効に感じられるような対策の見直し・改善と新たな対策を講じる必要性が示唆された。(著者抄録)

リンク情報
URL
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2019&ichushi_jid=J03224&link_issn=&doc_id=20191217400001&doc_link_id=40022106294&url=https%3A%2F%2Fci.nii.ac.jp%2Fnaid%2F40022106294&type=CiNii&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00003_1.gif
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ID情報
  • ISSN : 1345-8043
  • 医中誌Web ID : 2020134072

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