2017年4月 - 2021年3月
高校化学をより印象深くするための新しい高分子化学教材の探求と開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究の目的は、高校化学で合成高分子化合物の教育・実習に利用できる新しい高分子化学実験教材の探求・開発を行うことである。本研究では、高校化学において利用できる機能性高分子化合物の教材を開発し、高校化学における高分子化学の内容をより印象深いものにすることを目標にしている。具体的な機能性高分子化合物の教材として、「吸水性ポリマー」「温度応答性ゲル」「光硬化性樹脂」を予定している。
平成30年度においては、吸水性ポリマーの合成方法の確立と教材化を目指した研究、温度応答性ゲルを着色し教材化を目指した研究、光硬化性樹脂の合成方法と光硬化反応の確立を目指した研究を進めた。吸水性ポリマーに関しては、ポリアクリル酸水溶液に、種々のジグリシジルエーテル化合物を添加し80℃で2時間反応させることでポリアクリル酸の架橋反応が進行し、ポリアクリル酸ハイドロゲルを生成した。そのハイドロゲルに対し、自然乾燥、乾燥機による乾燥、または赤外線ランプの照射による乾燥を行って吸水性ポリマーを作成した。いずれの方法で作成した吸水性ポリマーも、自重の数百倍の純水を吸水することが分かった。今回確立した合成方法は、教育現場でも容易に実践することができ、吸水性ポリマーの教材化が可能と考えられる。温度応答性ゲルに関しては、本来は無色透明であるポリ-N-イソプロピルアクリルアミドのハイドロゲルを染色する方法を確立し、様々な色の着いた温度応答性ゲルを作成できるようになった。今後はその教材化を進めていく。光硬化性樹脂に関しては、ポリケイ皮酸ビニルの合成方法を確立し、光硬化反応の進行を確認した。ポリケイ皮酸ビニルの光硬化反応の進行度合いは、ポリケイ皮酸ビニルの原料となるポリビニルアルコールのケン化度に依存して変化することを明らかにした。
また、ポリビニルアルコールから作られるゲル教材に関する研究成果を論文にまとめ、現在投稿中である。
平成30年度においては、吸水性ポリマーの合成方法の確立と教材化を目指した研究、温度応答性ゲルを着色し教材化を目指した研究、光硬化性樹脂の合成方法と光硬化反応の確立を目指した研究を進めた。吸水性ポリマーに関しては、ポリアクリル酸水溶液に、種々のジグリシジルエーテル化合物を添加し80℃で2時間反応させることでポリアクリル酸の架橋反応が進行し、ポリアクリル酸ハイドロゲルを生成した。そのハイドロゲルに対し、自然乾燥、乾燥機による乾燥、または赤外線ランプの照射による乾燥を行って吸水性ポリマーを作成した。いずれの方法で作成した吸水性ポリマーも、自重の数百倍の純水を吸水することが分かった。今回確立した合成方法は、教育現場でも容易に実践することができ、吸水性ポリマーの教材化が可能と考えられる。温度応答性ゲルに関しては、本来は無色透明であるポリ-N-イソプロピルアクリルアミドのハイドロゲルを染色する方法を確立し、様々な色の着いた温度応答性ゲルを作成できるようになった。今後はその教材化を進めていく。光硬化性樹脂に関しては、ポリケイ皮酸ビニルの合成方法を確立し、光硬化反応の進行を確認した。ポリケイ皮酸ビニルの光硬化反応の進行度合いは、ポリケイ皮酸ビニルの原料となるポリビニルアルコールのケン化度に依存して変化することを明らかにした。
また、ポリビニルアルコールから作られるゲル教材に関する研究成果を論文にまとめ、現在投稿中である。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K00966
- 体系的課題番号 : JP17K00966
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
愛知教育大学研究報告. 自然科学編 70 57-63 2021年3月 査読有り責任著者