共同研究・競争的資金等の研究課題

2001年 - 2006年

超弦理論による素粒子の統一理論と時空構造

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特定領域研究  特定領域研究

課題番号
13135213
体系的課題番号
JP13135213
配分額
(総額)
31,900,000円
(直接経費)
31,900,000円

本計画班長の二宮は、量子時空構造の研究に不可欠な素粒子論的宇宙論と統計熱力学の第2法則を統一的に記述する理論を提唱し、宇宙の超初期に応用し具体的に研究を行った。川合は、超弦理論の非摂動的な構成的定式化の最も有力な理論の一つのタイプIIB行列模型から4次元時空を導出すること等、超弦理論において未解決の様々な問題に応用し新しい成果を得た。畑は、AdS-CFT対応を用いてD=4 super YM理論と弦の場の方程式に対して新しい知見を得た。國友は、超対称QCDにおけるMHV振幅を用いた新しい計算法を提案し、クォークを外線に持つ場合を含め1ループ近似で可能なすべてのMHV振幅を計算した。大野木は、ボトムクォークがコンプトン波長が典型的な格子間隔に比べ短すぎるため、格子上のHeavy Quark Effective Theory (HQET)を用いる必要があることから、格子HQETを用いてクエンチ近似のstatic極限でB中間子のπ結合を決定した。福間は、近年、(世界面の超対称性を持つ)タイプO型超弦理論が、行列模型の2-cut phaseで実現されることが分かって来た事から、その手法を2-行列模型に適用し、一般の(p,q)ミニマル超弦理論に対する非臨界弦の場の理論を構成するこちに初めて成功した。米山は、格子場の理論を用いて有限密度QCDやθ項を含む格子場の理論において大きな障害となっている負符号問題を、最大エントロピー法(MEM)に基づいて調べた。θ項を含むCP(N-1)模型を用いてシミュレーションを行い、その結果にMEMを適用し、負符号問題に起因する自由エネルギーの平坦化現象を研究した。原田は、Nuclear Effective Field Theory (NEFT)において、演算子がどのような重要性を持っているかを決定する「次数勘定」の決定が重要であることから、Wilsonian RGを用いて、NEFTにおける「次数勘定」を決定する具体的な計算を示した。またその過程でredundant operatorと呼ばれる演算子が重要であることを指摘した。糸山は自らが提案した自発的超対称性の破れを引き起こす模型に対する更なる発展として、有効ポテンシャルに対してDijkgraaf-Vafaの関係式が破れていることを実証した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-13135213
ID情報
  • 課題番号 : 13135213
  • 体系的課題番号 : JP13135213