2016年3月
和装における袴の存在意義 : 市場の現状とマンガ分析、機能性検討、そして新たな可能性を探る
ファッションビジネス学会論文誌 = Annual journal of studies the Society for Fashion Business
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- 巻
- 21
- 号
- 開始ページ
- 11
- 終了ページ
- 20
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- ファッションビジネス学会
袴は、腹部と胸l部を覆い紐で腰に結びつける形の和服の一種で、日本書紀にも記載のある本邦の伝統的民族衣装である。本研究では、袴の再評価と新たな展開を目指し、市場の現状調査、マンガ分析、機能性検討を行った。市場調査の結果、現代の袴に包含される衣服は多岐にわたり、その着用目的も異なるため、分類・定義確認と、各々の流通構造の明確化を要する現状が示された。マンガ分析においては、袴着装キャラクターの登場するマンガは一定数刊行されており、主なキャラクターは「武士・侍」と「学生」であった。現代の若者の袴着装シーンでは、日本の伝統文化の再認識につながる表現がなされていた。機能性検討の結果、温熱的快適性・姿勢保持性・下肢の自由度において、袴は高い機能性を持つことが明らかとなった。和装の主流たる着物(長着)が、その着装法から、ハレの場のみの限定的な衣服、日常生活から乖離した存在となっている現在、袴は、日常着にもなり得る機能性と快適性を備え、伝統文化の継承者、クールジャパンのアイコン、新しい和のモードとしての可能性を有することが示された。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1348-9909
- CiNii Articles ID : 120006576476
- CiNii Books ID : AA11983480