講演・口頭発表等

2013年3月10日

姿勢の変化が膝筋力に及ぼす影響

第2回日本スポーツリハビリテーション学会学術大会
  • 水野裕介

記述言語
日本語
会議種別
ポスター発表
主催者
日本スポーツリハビリテーション学会
開催地
日本東京町田市

一般的に膝筋力は座位で測定されるが、スポーツ競技においては臥位、立位姿勢で膝筋力を発揮させる必要性に迫られることがある。しかしながら姿勢の変化が膝筋力に及ぼす影響について検討した研究は少ない。そこで今回、臥位姿勢と座位姿勢で等速性筋力を比較し若干の知見を得たので報告する。
被験者は大学学部生15名(男性:7 女性:8)であった。等速性筋力測定装置を用いて膝関節の筋力を2種類の姿勢にて測定した。姿勢は椅座位(後方10度の傾き)及び仰臥位(水平位)で行った。測定は椅座位から行い、それぞれ60d/sで3回、300d/sで10回行わせ、その中で最も大きなトルクを膝屈伸トルクとした。屈曲トルク/伸展トルクを算出し、統計処理を行った。統計処理は対応のあるt検定を用い、有意差水準はp<0.05とした。姿勢の違いは300d/sにおける屈曲/伸展トルク比において有意な差を示した。300d/s時の仰臥位における屈曲トルクは椅座位と比べ有意に低下していることから、トルク比の差は膝屈筋群の影響が大きいことが考えられる。膝屈曲の主動筋であるハムストリングは2関節筋であるため、仰臥位(股関節中間位)より椅座位(股関節屈曲位)の方が長さ-張力関係より力が発揮しやすいと考えられる。60d/sではトルク比に有意な差は出なかった。これは60d/sにおける伸展トルクが仰臥位で有意に低下していたことが影響していると考えられる。