共同研究・競争的資金等の研究課題

2007年4月 - 2009年3月

社会参加とネットワークに関する実証研究-韓国と日本における調査と計量分析-

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

資金種別
競争的資金

本研究は、とくに人間関係に着目して多次元的な社会構造を解明し、構造と意識や、社会参加活動との関連に着目し、韓国で独自の統計的社会調査を複数実施して実証的分析を行うことを目的とする。多くの民主主義は、人々の制度への信頼感や非公式な人間関係をもとに成り立っている。近年、米国でさえも、都市部と農村部の政治意識の違いが注目され、政党支持の地域間の偏よりが大きく、産業化が遅れぎみの南部から連続して大統領が選ばれるなど、社会の分断が指摘され、地域差が注目されてきている。日本でも、平等志向や政治意識は、都市部と農村部で大きな違いがあることが我々の分析で分かっている。社会参加活動は、農村部における青年会や婦人会など、地域行事として半強制的なものは、日本でも参加が多いのだが、それ以外のボランティア活動などは、どの地域でも活発とは言えない。日本には陳情政治の歴史があり、自営業者や商工会長、商店会や農協の幹部、特定郵便局長などが政治家との人間関係を保有し、強い政治的影響力を持つ事実は否定できない。本研究により、韓国の農村部や、特徴ある地域において独自のデータをとり、かつ既に実施した日本と韓国における調査データの分析も行う。