2005年4月 - 2008年3月
複合的多問題地域にみる社会的排除の構造理解とその生活福祉支援に関する比較地域研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
- 配分額
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- (総額)
- 3,970,000円
- (直接経費)
- 3,400,000円
- (間接経費)
- 570,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究では、「複合的多問題地域」「集合的生活困難」という概念を提起し、特定地域に集中した生活困難が、諸要因の複合的相互作用の結果として生じているものであるとの理解にたち、その複合的な構造の解明を就業、居住、医療、教育、政治・地域への参加、移動や行政サービスへのアクセスの困難に着目した社会的排除という観点から試みることを課題として設定した。この視点は社会的参画機会の剥奪が生活困難を形成するという観点に立つものであった。そこで予想したことは、複合的多問題地域における集合的生活困難の解決には、多様な属性を持つ人びとが互いに排除することなくボランタリーな個人ないし集団・組織を相互に担い手としながら、試行錯誤を繰り返しつつ相互支援の場を形成し、新たな可能性を探求しつづけるための協働的対応のコミュニティ構築が求められるということであった。調査対象地とした美濃加茂市や隣接する可児市は工業地域での労働力確保のために多くの外国人労働者が雇い入れられ、外国人比率が全国でも高率の地域であった。一方での、日系ブラジル人の集住に伴う生活課題の存在がしだと、他方でのその支援が不十分な状況にあることが明らかになり、その状況をわれわれは「不安定定住」として捉えた。ヒアリング調査をまず行い概況を把握し、2008年度には日系ブラジル人の方がたへのアンケート形式による調査を実施した。
この研究課題の成果一覧
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MISC
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複合的多問題地域における社会的排除の構造理解とその生活支援に関する比較地域研究 68-78 2009年3月