MISC

2008年10月

【ハイパフォーマンスメンブレン2008】最新の合成高分子系血液透析膜の内表面特性評価

腎と透析
  • 滑川 亘希
  • ,
  • 八木 優
  • ,
  • 松田 雅人
  • ,
  • 山本 健一郎
  • ,
  • 福田 誠
  • ,
  • 薬師寺 大二
  • ,
  • 宮坂 武寛
  • ,
  • 酒井 清孝

65
別冊 ハイパフォーマンスメンブレン'08
開始ページ
51
終了ページ
55
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)東京医学社

透析膜内表面におけるポリビニルピロリドン(PVP)の存在割合、平滑性、柔軟性を内表面特性として測定し、生体適合性の評価指標であるヒト血清アルブミン吸着力(HSA)との相関を評価した。全反射減衰フーリエ変換赤外分光法および原子間力顕微鏡を用いて、内表面特性と生体適合性との関連をナノレベルで検討した。評価対象透析膜は、合成高分子系血液透析膜APS-SA、APS-SA-D、CS-U、TS-UL、FPX、PES-Sα、FLX-GW、FDX-GWとした。PVP存在割合は、素材別ではPS透析膜がPESおよびPEPA透析膜より高かった。PS透析膜中ではTS-UL膜が最も高いPVP存在割合を示した。内表面の平滑性は、FDX-GW膜(PVP含有PEPA透析膜)が最も平滑であった。PS透析膜ではCS-U、APS-SA-D膜が、TS-UL膜、APS-SA膜に対して有意に平滑であった。内表面の柔軟性は、FDX-GW膜が最も柔軟であった。PVP配合透析膜での比較では、内表面のPVP存在割合が高くなるほど柔軟であった。HSA吸着力は、APS-SD-D膜で最も低値、FLX-GW膜で最も高値を示した。透析膜の内表面特性とHSA吸着力との関係を調べたところ、内表面におけるPVP存在割合が高い透析膜や、内表面が平滑な透析膜はHSA吸着力を抑制した。

ID情報
  • ISSN : 0385-2156
  • 医中誌Web ID : 2009109502

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