講演・口頭発表等

2004年11月

経腸栄養剤の静脈内注入による肺梗塞死例

第51回日本法医学会近畿地方会
  • 巽 信二
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  • 野田 裕司
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  • 山口 眞由
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  • 杉山 静征

主催者
第51回日本法医学会近畿地方会
開催地
京都市
治療中の事故で胃瘻管から投与すべき栄養剤を静脈内に投与した事故という単純なケアレスミス例を経験したので報告する。75歳男性、脳梗塞の既往歴があり入院加療中であり、内服薬と経腸栄養剤を取るために胃瘻管を造設していたが看護師が間違えて点滴用の静脈ルートに経腸栄養剤を注入し、18日目に死亡したもの。司法解剖となり、病理組織学検査の結果、肺胞中隔線維化・肥厚および広範囲凝固壊死、肺組織内に異物(でんぷん小体・食物線維物)の存在を認め、静脈内異物混入による肺動脈栓塞による呼吸不全を惹起せしめたものと推認した。