MISC

2013年

「『言海』の音象徴語」

『同志社大学日本語・日本文化研究』
  • 平弥悠紀

第11号
開始ページ
1
終了ページ
21
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.14988/pa.2017.0000012988
出版者・発行元
同志社大学日本語・日本文化教育センター

研究論文(Article)大槻文彦著『言海』において見出し語として立てられた和語の音象徴語(異なり語数315 語、延べ語数325 語)について調査を行い、以下の特徴を明らかにした。『言海』には、語頭がパ行である語は載せられていない。採録された音象徴語のタイプは、多い順に、「ABAB」、「ARAR」、「AッBリ」、「ARリ」、「AB」となっており、この上位5 位までのタイプで、全体の7 割以上を占めていた。また、『言海』では、古語と俗語について記号が付されており、古語として扱われている語は、奈良時代に見られる「AB,ABB,AB ラ、ABAB,AR ラ、ARAR,A,AA」タイプの語、俗語には、中古になって現れる「ABリ・ARリ」、中世になって現れる「AッBリ、AンBリ」タイプの語が多かった。語頭の音については、パ行音であるものが採録されていないこと、バ行音の語も比較的少数であることから、多い順に「サ行」、「カ行」、「タ/ハ行」となっており、同時期に出版された『和英語林集成』(第3 版)や現代音象徴語では「ハ行音」がトップであるという様相とは異なっていた。語末の音は、多い順に「リ」、「ラ」、「ロ」、「促音」となっていて、『和英語林集成』(第3 版)とほぼ同様であった。現代音象徴語を採録した『擬音語・擬態語の読本』と、「リ」が1 位である点では同様であったが、異なる点としては、「ラ」が上位を占め、また、撥音は上位ではなかった。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.14988/pa.2017.0000012988
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/120005640887
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12331634
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/024436922
URL
https://doors.doshisha.ac.jp/duar/repository/ir/15682/?lang=0
ID情報
  • DOI : 10.14988/pa.2017.0000012988
  • ISSN : 2186-8816
  • CiNii Articles ID : 120005640887
  • CiNii Books ID : AA12331634

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