2016年
顕微赤外分光法による高木のスギ針葉の水分保持メカニズムの解明
日本森林学会大会発表データベース
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- 巻
- 127
- 号
- 0
- 開始ページ
- 317
- 終了ページ
- 317
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11519/jfsc.127.0_317
- 出版者・発行元
- 日本森林学会
樹木は高木になるほど、光合成に有利な光環境の良い梢端までの根からの水供給が物理的に困難となる(水ストレス)。近年、樹高50mのCryptomeria japonicaや樹高100mのSequoia sempervirensにおいて、梢端の葉の貯水能が高くなり水ストレスが補償されることが示唆された。しかし、葉の組織中で水分がどのように保持されているかは未解明である。本研究では、顕微赤外分光法をC. japonicaの葉横断切片に適用し、高さにともなう葉の水分及び化学成分を明らかにし、生理学的測定と比較した。葉横断面のスペクトルから得られた水分量(O-H吸収帯面積(3700–3000 cm-1))は高さにともない増加し、生理学的測定と同様の傾向を示した。葉横断面のスペクトルから得られた糖類の量(C-O吸収帯面積(1190–845 cm-1))は高さにともない増加していたが、生理学的測定において葉の浸透調節能は高さによらず一定であった。スペクトルマッピングによって水分・糖類量について葉横断面において分布を可視化でき、梢端の葉では葉肉組織中に水分・多糖類の分布が拡大していた。梢端の葉では多糖類が水分保持に寄与すると考えられる。
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- DOI : 10.11519/jfsc.127.0_317
- CiNii Articles ID : 130005167025