共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年7月 - 2023年3月

他家CAR-Tの限界を突破する全く新しい抗体・細胞複合体高度化技術の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
21K19529
体系的課題番号
JP21K19529
配分額
(総額)
3,900,000円
(直接経費)
3,000,000円
(間接経費)
900,000円

難治性悪性腫瘍に対し、期待されながらも製剤化の困難に直面する他家CAR-T(キメラ遺伝子導入T細胞治療)の限界を突破するために、独自特許技術であるNK細胞製剤GAIA-102(AMEDの支援にて開発中)の機能を更に高度化するための遺伝子導入技術を用いず既存抗体医薬品の全てに適応可能な「抗体・細胞複合体」高度化技術の開発を進めた。
GAIA-102の機能を調べる過程で、この細胞は表現形と性質はNK細胞に類似しているにも関わらず、遺伝子発現プロファイルを含めた性質はCAR-Tに酷似し、更に固形がんに極めて高い殺傷能力を示すことを明らかにした。これはGAIA-102を用いることでCAR-Tの問題点(固形腫瘍への適応拡大)を解決可能であることを意味する。
Prototypeとして、「既知の一本鎖agonistic抗体+既知の細菌由来Fc結合ドメイン」を持つ架橋構造体をin silicoシミュレーションを基に合成し、それが実際に抗体医薬品とGAIA-102に結合可能であることを明らかにした。また、Prototypeが抱えていた課題を克服するため、架橋構造体のNK細胞側に結合する領域を人工抗体に置き換え、候補となるNK細胞膜上レセプター3種に高い結合力を持つ配列を取得した。なお選定したNK細胞膜上レセプター3種はGAIA-102で特に高発現しており、またNK細胞が持つ抗腫瘍活性に重要な役割を果たすことが明らかになっている。取得した人工抗体はそれぞれのレセプターに対して目標としていた以上の結合力を示し、一つのターゲットに対して複数の配列が取得出来ている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K19529
ID情報
  • 課題番号 : 21K19529
  • 体系的課題番号 : JP21K19529