基本情報

所属
文教大学 文学部英米語英米文学科 教授
(兼任)文教大学大学院 言語文化研究科 教授
学位
学士(英米文学)(1996年3月 学習院大学)
修士(文学)(1998年3月 青山学院大学)
博士(文学)(2005年3月 青山学院大学)

研究者番号
00366957
ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0002-9059-031X
J-GLOBAL ID
200901045603102918
researchmap会員ID
1000290821

 筆者は学部・大学院時代から現在に至るまでの一貫したテーマとして、Mood, Modal, Modalityを追及してきた。特に筆者のこれまでの「仮定法研究」・「法助動詞研究」の成果としては、2005年に受理された博士論文の内容を改訂して2006年に出版した著書ModalP and Subjunctive Presentを挙げることができる。仮定法や法助動詞以外に追求したい他のテーマも少なからずあるので、今後はそれらのテーマと並行させてのことになるのは言うを俟たないが、やはり英語における 「法」のシステム全体については継続して考えていきたいと思っている。

 言語学の研究において「文法と意味の間」の関係をどう扱うかは重要な課題である。例えば、生成文法において「統語論の自律性」という概念は基本的なテーゼであるが、「文法のモデル」を考える際には意味論的、歴史的、あるいは音韻論的な事実との整合性、傍証の追及もまた重要な作業である。例えば、筆者の携わってきた上述の研究テーマは意味論的な概念がその振る舞いに関わってくる。すなわち、心的態度にまつわる類似した概念としてMood(法)、 Modal(法助動詞)、Modality(法性)の三者が挙げられるが、これらを分析する際、「意味論的な共通点」と「統語論的な相違点」のどちらの研究態度も必要であろう。つまり、言語研究には統語論、意味論・語用論、音韻論などのアプローチは排他的ではなく、相補的に必要不可欠であると筆者は考えている。

 最近の生成文法の潮流である「極小主義プログラム(Minimalist Program)」では理論内の整合性に重きが置かれ、言語事実の抽出・記述を基いに文法モデルを立てるという形での「記述的妥当性」の追及が(「説明的妥当性との緊張関係」の名の下に)積極的に行われていない感が筆者には少なからずあるのだが(筆者のこの意見に異を唱える研究者は当然存在しよう)、2つの妥当性の達成は両者共に十全になされることが言語理論の発展に不可欠であろうと考えている。この点、筆者は「統語論」だけに固執せず、「英語語法文法研究」、「意味論・語用論」、「歴史的研究」など、努めて実証的な研究に携わってきた。それは抽象論に終始せず、実際の英語事実から理論を構築する英語学者でありたいからである。

 そして同時に、筆者は「経験事実に基づいた文法理論の構築」を目指しつつ、大学英語教科書の編纂、文法用語の混乱の問題の整理、英語学研究の学習英文法への還元など、英語教育の分野に英語学、理論言語学の成果を還元することも視野に入れながら広く研究を進めていきたいと考えている。


研究キーワード

  6

経歴

  18

学歴

  6

論文

  37

MISC

  27

主要な書籍等出版物

  22
  • 野村 忠央
    DTP出版 2024年8月15日 (ISBN: 486211850X)
  • 平田 一郎, 行田 勇, 保坂 道雄, 江連 和章編 (担当:共著, 範囲:「編出分析と仮定法倒置条件節の統語論」)
    開拓社 2023年6月30日 (ISBN: 4758923868)  査読有り
  • 遊佐 典昭, 小泉 政利, 野村 忠央, 増冨 和浩編 (担当:共編者(共編著者), 範囲:「仮定法、祈願法と命令法」「目的語位置への繰り上げと例外的格付与」「Chomsky(1986a)Barriers」「長谷川欣佑(2003)『生成文法の方法 英語統語論のしくみ』」「長谷川欣佑(2014)『言語理論の経験的基盤』」「はしがき」;編集・全体の統一)
    開拓社 2023年3月31日 (ISBN: 4758923825)  査読有り
  • 植月 惠一郎, 奥井 裕, 野村 忠央, 大森 夕夏, 加藤 良浩, 近藤 直樹, 藤原 愛編 (担当:共編者(共編著者), 範囲:「文型論における0′とC′の扱いをめぐって」、「英語史の授業における古英語の講読例―449年のアングロサクソン人のブリテン島侵略―」;「編集委員一覧、追記」「欧米言語文化学会役員一覧」「欧米言語文化学会例大会の記録」;編集・全体の統一)
    金星堂 2021年12月31日 (ISBN: 4764712121)  査読有り
  • 野村 忠央, 菅野 悟, 野村 美由紀, 外池 滋生 (担当:編者(編著者), 範囲:英作文1, 2, 3, 4, 5, 6, 12, 補充問題;英文法の校閲、第15課「助動詞3」の改訂、例文日本語訳の作成;編集・全体の統一)
    DTP出版 2021年4月1日 (ISBN: 9784862117700)
  • 渋谷 和郎, 野村 忠央, 女鹿 喜治, 土居 峻編 (担当:共編者(共編著者), 範囲:「格」「定形性」「イェスベルセンのThree Ranks説と付加詞」「島の制約」「主語が移動する要因」(pp. 96-105)、「(参考)第 27 回年次大会閉会の辞」「日本英語英文学会 学会資料」;編集・全体の統一)
    DTP出版 2020年12月31日 (ISBN: 9784862117694)  査読有り
  • 野村 忠央, 女鹿 喜治, 鴇﨑 敏彦, 川﨑 修一, 奥井 裕編 (担当:共編者(共編著者), 範囲:第11章「混乱の多い英語学の専門用語、知っておくべき英語学の専門用語(1)」、第12章「混乱の多い英語学の専門用語、知っておくべき英語学の専門用語(2)」、第13章「語順が表す含意(1)―不定詞節における否定語順について」、第14章「語順が表す含意(2)―仮定法現在節における否定語順について」(pp. 145-211)、「本シンポジウムのあゆみ」(pp. 411-420);編集委員長、全体の統一)
    金星堂 2019年9月30日 (ISBN: 4764711907)  査読有り
  • 野村 忠央, 菅野 悟, 野村 美由紀, 外池 滋生 (担当:編者(編著者), 範囲:英作文1, 2, 3, 4, 5, 6, 12, 英文法の校閲、編集・全体の統一)
    DTP出版 2017年4月1日 (ISBN: 9784862115942)
  • 野村 忠央, 永谷 万里雄, 野村 美由紀, 勝山 裕之, 菅野 悟 (担当:編者(編著者), 範囲:1, 2, 3, 5, 11, 14, 15, 22, 30, 番外編1, 2, 3, 4, 5, 編集・全体の統一)
    DTP出版発行、朝日出版社発売 2017年4月1日 (ISBN: 9784255156125)
  • 高見 健一, 行田 勇, 大野 英樹編 (担当:共著, 範囲:「言語の古い形が残っているのは中心の地あるいは周辺の地?」(pp. 94-98))
    開拓社 2017年3月29日 (ISBN: 9784758922388)  査読有り
  • 外池 滋生, 江頭 浩樹, 伊藤 達也, 中澤 和夫, 野村 美由紀, 野村 忠央, 大石 正幸, 大野 真機, 西前 明, 鈴木 泉子 (担当:共訳, 範囲:「統語理論」c〜fの項、「キーターム」のcの項、「主要研究者」のDik, Greenbergの項、分担翻訳、及び参考文献、日本語翻訳文献の調査、統一。) (原著:シルヴィア・ルラギ, クラウディア・パロディ著, 外池 滋生監訳)
    開拓社 2016年9月22日 (ISBN: 9784758922265)
  • 渋谷 和郎, 野村 忠央, 土居 峻編 (担当:共編者(共編著者), 範囲:「本当に2種類のtoが存在するのか?―制御タイプのtoと繰り上げタイプのto」(pp. 251-264)、「編集委員会からの謝辞に代えて」、「日本英語英文学会 学会資料」;編集委員長、全体の統一)
    DTP出版 2015年12月1日 (ISBN: 9784862115492)  査読有り
  • 江頭 浩樹, 北原 久嗣, 中澤 和夫, 野村 忠央, 大石 正幸, 西前 明, 鈴木 泉子編 (担当:共編者(共編著者), 範囲:「bewareの用法及び活用体系に基づく定形性の概念について」(pp. 310-321)、「外池滋生教授 略歴」(pp. 491-491)、「外池滋生教授 業績一覧」(pp. 493-506)、「外池先生との思い出」(pp. 534-544)、編集・全体の統一)
    開拓社 2015年3月23日 (ISBN: 9784758922104)  査読有り
  • 野村 忠央, 菅野 悟, 野村 美由紀, 外池 滋生 (担当:編者(編著者), 範囲:英作文1, 2, 3, 4, 5, 6, 12, 編集・全体の統一)
    DTP出版 2014年4月1日 (ISBN: 9784862113672)
  • 野村 忠央, 依藤 道夫, 永谷 万里雄, 野村 美由紀, 勝山 裕之, 菅野 悟 (担当:編者(編著者), 範囲:1, 2, 3, 5, 11, 14, 15, 25, 32, 33, 番外編1, 2, 3, 4, 5, 編集・全体の統一)
    DTP出版発行、朝日出版社発売 2014年4月1日 (ISBN: 9784255155586)
  • 澤田 治美, 高見 健一編 (担当:共著, 範囲:「第17章 法」(pp. 186-196))
    鳳書房 2010年12月1日 (ISBN: 9784902455250)  査読有り
  • 藤田 崇夫, 鈴木 繁幸, 松倉 信幸編 (担当:共著, 範囲:「“government of the people”の解釈について」(pp. 199-214))
    DTP出版 2010年12月1日 (ISBN: 9784862112361)  査読有り
  • 吉波 弘, 中澤 和夫, 武内 信一, 外池 滋生, 川端 朋広, 野村 忠央, 山本 史歩子編 (担当:共編者(共編著者), 範囲:全体の編集・統一、各種付物の作成)
    ひつじ書房 2010年5月9日 (ISBN: 9784894764781)  査読有り
  • 野村 忠央, 依藤 道夫, 永谷 万里雄, 野村 美由紀, 勝山 裕之 (担当:編者(編著者), 範囲:1, 6, 9, 10, 16, 21, 番外編1, 2, 3, 編集・全体の統一)
    DTP出版発行、朝日出版社発売 2009年4月1日 (ISBN: 9784255154756)
  • 野村 忠央, 依藤 道夫, 永谷 万里雄, 野村 美由紀, 勝山 裕之 (担当:編者(編著者), 範囲:1, 6, 9, 10, 16, 21, 番外編1, 2, 3, 編集・全体の統一)
    DTP出版 2008年4月5日 (ISBN: 9784862111227)
  • 泉谷 双藏, 伊藤 達也, 江頭 浩樹, 勝山 裕之, 西前 明, 鈴木 泉子, 塚田 雅也, 外池 滋生, 野村 忠央, 野村 美由紀, 森川 正博 (担当:共訳, 範囲:6. Wh移動(pp. 163-195)) (原著:アンドリュー・ラドフォード著, 外池 滋生監訳)
    研究社 2006年3月17日 (ISBN: 4327401420)
  • NOMURA Tadao
    Hituzi Syobo 2006年2月28日 (ISBN: 4894762676)

講演・口頭発表等

  32

担当経験のある科目(授業)

  14

所属学協会

  13

共同研究・競争的資金等の研究課題

  3

社会貢献活動

  4