1994年 - 1994年
オステオカルシン遺伝子プロモーターのE-boxに結合するHLH型転写因子の研究
文部科学省 科学研究費補助金(奨励研究(A)) 奨励研究(A)
ヘリックス-ループ-ヘリックス(HLH)型因子は,核内で転写制御を介して細胞の分化方向の決定を行う例が知られている.骨芽細胞分化においても,これら因子の関与が推測されたが,その本体は明らかにされていなかった.本研究では,骨芽細胞で特異的に産生されるオステオカルシン(OC)遺伝子のプロモーターに着目し,以下の結果を得た.(1)ld-1の発現ベクターをROS17/2.8細胞にトランスフェクトすると,OCのプロモーター活性が低下することを見いだし,種々の変異を用いた解析よりldに応答するE-boxを含む領域OCE1を同定した.(2)ゲルシフトアッセイよりROS17/2.8細胞の核抽出物にはOCE1に特異的に結合するタンパクが存在し,GST-ld-1タンパクの添加によりこの結合が減少した.μE5+μE2のオリゴヌクレオチドを加えても競合は見られず,E12/E47とは異なる因子の結合が示唆された.(3)OCE1への結合はC3H10T1/2細胞の核抽出物では見られないが,rhBMP-2処理で骨芽細胞への分化に伴い,OCE1への結合が観察された.(4)OCE2,3ならびに4のオリゴヌクレオチドを過剰に加えても競合は見られなかった.(5)DNaselフットプリント法から,OCE1部位におけるDNA-タンパク相互作用の存在が考えられた.(6)OCE1配列に結合するタンパクが,遺伝子産物として存...
- ID情報
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- 課題番号 : 06771623