2015年5月
一次性ヒト免疫不全ウイルス感染症の徴候としての両側性大脳基底核および内包に及ぶ急性一過性脳脊髄炎(Acute transient encephalomyelitis involving bilateral basal ganglia and internal capsules as manifestation of primary human immunodeficiency virus infection)
(一社)日本神経学会 Neurology and Clinical Neuroscience
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- 巻
- 3
- 号
- 3
- 開始ページ
- 103
- 終了ページ
- 104
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
症例は25歳男性で、歩行障害が1週間続き、4週間前からおよびインフルエンザ様症状が出現していた。症例は、同性愛者であり、初めての無防備性交渉は4、5週間前であった。神経学的検査により、全肢における過反射と、痙性対麻痺および失見当を伴う軽度認知障害を示した。両側バビンスキー反射は陽性であった。その後、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の徴候として急性一過性白質脳脊髄炎を示し、急性散在性脳脊髄炎が示唆された。MRIのT2強調画像で、両側の脳室周囲白質と内包において高強度信号を認めた。両側の大脳基底核周囲の境界は不明瞭であった。ガドリニウム増強は観察されなかった。Th6レベルでの脊髄MRIは正常であった。コルチコステロイド治療を開始し、7日目に神経学的症状は完全に消失した。フォローアップのT2強調画像では、両側内包に高強度信号はみられず、脳室周囲の信号の消失が認められた。その後、2年以上、無症候で経過している。