共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

想定を超える地震作用に対する橋梁全体系の耐崩壊性能の評価

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
20K04674
体系的課題番号
JP20K04674
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

研究計画に基づき,上路式鋼アーチ橋の端柱部分を想定し,相似則を考慮した崩壊モードの異なる2種類の骨組模型供試体(前年度に設計・製作は完了)の振動台実験を実施した.動的崩壊挙動の計測においては従来の加速度計や変位計,ひずみゲージ等のセンサ類に加え,新たに画像計測を導入した.これにより物理的にセンサの設置ができない任意点の挙動を計測することが可能となった.振動台実験の結果として,用意した2体の骨組模型供試体は当初のねらい通りの崩壊性状となり,かつ,動的崩壊挙動の計測も問題なく行うことができた.詳細な計測データを整理し,各部材の損傷の進行と骨組全体の崩壊挙動との関係について検証した.本実験により,骨組構造の崩壊挙動を対象とした数値解析の妥当性と精度検証を行うための貴重なデータを得た.
つぎに,振動台実験に用いた骨組模型の詳細なFEモデルを構築し,実験データをもとにキャリブレーションを行った.不確定要素として初期不整と粘性減衰に着目し,振動台実験で得た計測データをもとにこれらを推定した結果,複数回の加振による崩壊挙動をほぼ全般的に再現することができた.検証したFEモデルを用いて複数の地震動に対する2つの骨組の崩壊性状について検討を進めている.
また,振動台実験と並行して,スーパーコンピュータによる大規模計算の準備を進めており,名古屋大学の「不老」上での動作確認を行った.すでにパイロットケースとして実際の橋梁の解析を実施し,その解析結果について検証を行っている.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K04674
ID情報
  • 課題番号 : 20K04674
  • 体系的課題番号 : JP20K04674