MISC

2013年

英語力下位層を対象としたCLIL(内容言語統合)型学習の可能性 : CLIL型学習教材開発者Phil Ball氏の著述とインタビューから

国立音楽大学研究紀要
  • 中西 千春

48
開始ページ
93
終了ページ
104
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
国立音楽大学

本論の目的は,日本の大学における英語力下位層を対象にCLIL(内容言語統合)型学習を導入する可能性を探ることである。そのために,スペインバスク地方のCLIL型学習英語教材開発者のPhil Ballの著述とインタビューに基づいて,CLIL型学習の特徴,ESL/EFLとの違い,教材デザインを調査検討する。BallによればCLIL型学習には「英語よりも内容を重視する。中身のある内容を理解させるために,教材デザインを入念に行う。本物のコミュニケーションの場を設け,高次の思考が必要なタスクに協同学習で取り組ませる。」という特徴がある。大学英語授業で,下位層の学習者の専攻内容を教材とし,内容理解に焦点をあて,そのディスコース特有の英文法や語彙を付随的に学ぶアプローチは,情意フィルターを下げ,動機付けとなる可能性がある。また,協同学習で,高次な思考を要するタスクにより,英語が学習者の記憶に残る可能性もある。考察の結果,CLIL型学習を,英語力下位層を対象に導入することは,今後の大学英語授業として有効と思われる。

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110009794832
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00066006
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/025485697
ID情報
  • ISSN : 0288-5492
  • CiNii Articles ID : 110009794832
  • CiNii Books ID : AN00066006
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000002366241

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