1995年 - 1997年
社会規範の発生と進化に関する経済分析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際学術研究
本年度もさまざまな方向で研究の進展が見られた。これら膨大な成果を一口でまとめることは不可能であるが、重要と思われる一点のみを挙げておく。規範の問題を考えることによって、自由競争という新古典派経済学では中心をなす市場行動も、あくまでもいくつもある規範の中の1つのものにすぎないと考えることができるようになった。経済学は経済から遊離しては存在し得ない。自由競争という概念が市場経済の理念型と看做されるのは、自然淘汰を旨とするアメリカ型市場経済の規範が理論の核に据えられた結果であるということが明らかになったのである。この点を主流派経済学が認識し始めたことによって社会の理解は大幅に深まると言えよう。上記の点に鑑みた当プロジェクトの最大の成果は、当該分野が広く世界的に認知され、新しい研究領域として確立し、そのことにわれわれのグループが大きく寄与したことであろう。その事実はわれわれがこれまでに出版した論文
- ID情報
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- 課題番号 : 07044028
- 体系的課題番号 : JP07044028