2018年5月
高周波ホットバルーンカテーテルによる右上肺静脈焼灼中に肺静脈電位ならびに上大静脈電位の電気的隔離が観察された発作性心房細動の1例
臨床心臓電気生理
- 巻
- 41
- 号
- 開始ページ
- 205
- 終了ページ
- 212
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 臨床心臓電気生理研究会
55歳、男性。発作性心房細動に対する高周波ホットバルーンを用いた肺静脈隔離術を施行した。右上肺静脈電位(far-field)を観察する目的で右房-上大静脈接合部に留置したリング状電極では、焼灼前にnear-fieldの右房(RA)電位に引き続き、上大静脈(SVC)電位、far-fieldの右上肺静脈(RSPV)電位が記録された。RSPVに対する焼灼開始後、バルーン内温度が70℃に到達する前にRSPV電位の消失、70℃に到達直後にSVC電位の消失が観察された。120秒の焼灼後、SVCならびにRSPV内のdissociated activityおよびペーシングによりRA-SVC、左心房-RSPV間の両方向性ブロックの成立、かつRSPVとSVC間に伝導を認めないことを確認した。高周波ホットバルーンの熱伝導による焼灼効果は、極めて短時間に生じている可能性が示唆された。