共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

社会的認知能力としての痛みの理解と表出の発達

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)
  • 柿沼 美紀
  • ,
  • 五十嵐 一枝
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  • 紺野 道子
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  • 財部 盛久
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  • 百田 豊
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  • 野瀬 出
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  • 上村 佳世子

課題番号
18K03047
体系的課題番号
JP18K03047
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

今年度の主な成果は2点である。1)前半は動物病院における犬種別受診行動について、2)後半は小児科における疾患別受診行動について調査をした。その結果、飼い主、保護者とも、保護する対象となる犬や子どもの特性や過去の経験によって受診行動が異なる可能性が示唆された。
受診行動に関して、人の親子関係においては、遺伝の要素を排除しての検討は容易ではないが、飼い主と犬の関係からは、人の母子相互作用にも遺伝的要因とは別に、養育者が「守るべき存在」の日常および受診場面等の行動に影響することが示唆された。
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動物病院を対象とした調査からは、受診行動に犬種差が見られ、シーズー、ダックス、ミックスは痛み対して我慢強いと評され、軽度での受診が少なかった。一方、我慢強くないと評価されたチワワ、トイプードル、シバの飼い主は神経質になりやすいと評価されている。チワワとトイプードルは軽度での受診が多かった。シバとチワワは診療場面で獣医療関係者を噛むことが多かった。シバは痛みに敏感と評価されているが、軽度での受診はなく、またの飼い主は問題行動について相談が多かった。
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小児科での調査からも、疾患による違いが報告されている。ASD, ADHD,MRは痛みに対して我慢強くなく、敏感に反応する傾向があったが、病院受診のタイミングは普通または遅い傾向にあった。一方、アレルギー疾患と早産児は、痛みの表出は普通で、行動面は比較的定型と同様であるが、軽度で受診する傾向があった。これは養育者が子どもの生命の危機(特にアナフィラキシーやNICUへの入室を要した早産児)と向き合ってきた経験から、養育者が神経質になっており、軽微な症状が病状悪化に繋がる可能性を感じているためと思われる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K03047
ID情報
  • 課題番号 : 18K03047
  • 体系的課題番号 : JP18K03047

この研究課題の成果一覧

MISC

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講演・口頭発表等

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