2014年12月
ラット顎下腺主導管における刷子細胞に関する免疫組織化学的研究
神奈川歯学
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- 巻
- 49
- 号
- 2
- 開始ページ
- 101
- 終了ページ
- 110
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 神奈川歯科大学学会
光学顕微鏡レベルにおいてラット顎下腺主導管にみられる刷子細胞を多列上皮細胞より区別して標識可能とするため、マーカー候補のProtein Gene Product(PGP)9.5、血管運動腸管ペプチド(VIP)、サイトケラチン(CK)18、ニューロフィラメント(NF)に対する抗体を用い、免疫組織化学的に二重標識法を行った。その結果、CK18に対する免疫陽性反応は全ての上皮細胞に観察されたが、PGP9.5、VIP、NFは粘膜上皮において少数の細胞にのみ陽性反応を認めた。この陽性細胞を免疫電顕法により観察したところ、刷子細胞であることが確認され、これらが刷子細胞の特異的な標識マーカーとして有用と考えられた。また刷子細胞が示す形態学的な特徴は舌の味蕾の細胞にみられるIII型細胞に類似しており、この細胞はPGP9.5およびVIPに対して陽性を示すことより、顎下腺の刷子細胞は味蕾細胞と同様に化学受容細胞であることが推察された。
- ID情報
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- ISSN : 0454-8302
- 医中誌Web ID : 2015185952