共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年11月 - 2021年3月

その場観察分光法を用いた二酸化炭素水素化触媒の活性点構造の研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
19F19807
体系的課題番号
JP19F19807
配分額
(総額)
1,100,000円
(直接経費)
1,100,000円
(間接経費)
0円

逆水性ガスシフト(RWGS)反応は, 工業的な合成ガス製造法である.本反応に有効な触媒開発における課題は, 低温域におけるCO生成速度の向上と副生成物としてのCH4の生成抑制である.我々の研究グループでは,TiO2担持MoOx担体にPtを担持した触媒(Pt/MoOx/TiO2)が様々な水素化反応に有効であることを報告してきた.本研究ではこのPt/MoOx/TiO2触媒がRWGS反応にも有効であることを見出した.
担体であるMoO3(10)/TiO2 (Mo = 10 wt%)は,(NH4)6Mo7O24・4H2O 及びTiO2を前駆体として含浸法により調製した.Ptの担持は,Pt(NH3)2(NO3)2硝酸水溶液を用いてPt担持量が3 wt%となるように含浸法で行った.石英反応管に触媒50 mgを充填し,前処理をH2雰囲気下300 °Cで0.5 h行った.反応ガス組成は (H2/CO2/He/N2 = 40/10/40/5 mL/min)とし,反応温度250 °Cで活性測定を行った.生成物はTCD-GCを用いて分析した.
MoO3(10)/TiO2とPt(3)/MoOx(10)/TiO2のHAADF-STEM観察から,MoOx種は粒子を形成せず, TiO2上に高分散に分布していることが明らかになった.Ptは,MoO3種に被覆された担体上に平均粒子径2.6 nmのナノ粒子として担持されていた.RWGS反応の活性試験を行った結果,Pt/MoOx(10)/TiO2触媒が最も活性が高いことが分かった.In situ Mo K殻 XANES測定によりMoOx種の酸化還元を研究中である. 予備実験より、Pt(3)/MoOx(10)/TiO2触媒にCO2を導入すると,XANESは高エネルギー側へシフトした.これは, MoOx種がCO2により酸化されることを示している.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19F19807
ID情報
  • 課題番号 : 19F19807
  • 体系的課題番号 : JP19F19807